美女はラウラと名乗った。
インド人とイタリア人のハーフなのだという。なめらかな褐色の肌とグラマラスな肢体が非常に魅力的な女性だ。

多少イントネーションが微妙だったり、たまに片言になるのを除けば、日本語での会話に問題はないようだった。
こちらからの問いかけにもハキハキと答えてくれる。

「あの……ラウラさんはもしかしてザンザスの……?」

聞きづらそうに尋ねた真奈に、一瞬目を丸くした後、彼女は豪快な笑い声を響かせた。

「いいえ!いいえ、とんでもない!」

ラウラの話によると、口が固く、日本語が出来る世話係を、ということで急遽呼び出されたらしい。

「すみません、失礼な勘違いをしてしまって」

「謝らないで。気になる気持ちはよく分かります」

真っ赤になって謝る真奈の髪にクリームを塗り、揉みこむようにマッサージしながらラウラは笑った。

「でも安心して下さい。こんな可愛らしい恋人がいるのに、他の女に手を出す男はいません」

「ち、違います!ザンザスとはそういうんじゃ──」

「大丈夫。私は口が固いです。あっ、動かないで」

「………はい」

真奈は誤解を解くのを諦めて口を閉じた。

クリームをつけた髪を丁寧にブローした上で、毛先を垂らして一部を結い上げたアップにされる。
それから軽くメイクを施され、背中などの露出している場所にキラキラとしたラメ入りのボディパウダーをはたかれた。



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