事は済んだとばかりに、ザンザスはそのまま寝室から出て行ってしまった。

「心配しなくていいよ。今日はここでボンゴレの同盟ファミリーの関係者を集めた懇親パーティーが開催されるんだけど、9代目が君に出席して貰いたいんだってさ。さしずめ僕達は君の御守り役ってところかな」

「パーティー…?」

呆然と呟く真奈に、マーモンは「まあ突然言われたら驚くよね」と同意した。

「僕だって、特別報酬が出なければこんな無駄遣いの温床みたいなイベントには関わりたくないよ。まあ仕事だし、一応、金額分の働きはするけどさ」

いかにも守銭奴らしい物言いだ。
それにしても、とマーモンが続ける。

「ひねくれているようで分かりやすいよね、うちのボスは。本当は今日君のところには跳ね馬が迎えに行く予定だったんだ」

「ディーノさんが?」

「うん、9代目の依頼でね。学校が終わった時間に迎えに行く手筈になってたらしい。それで、跳ね馬か守護者の中から君のパートナーを選ばせる手筈になってたんだけど」

それが気に入らなかったみたいだよ、ボスは。
その計画を知った途端、跳ね馬を出し抜いて自ら拐いに行くぐらいにさ。
マーモンが忍び笑う。

「そういうわけだから、とりあえずそれ着てみなよ。ボスも早く見たいだろうし」

「う、うん」

ドアから出ていくマーモンを見送った真奈は、改めてザンザスから渡されたドレスを見下ろした。
ザンザスが選んでくれたドレス。
そう考えるとなんだか物凄く恥ずかしかったが、こうなったら着るしかない。

真奈は意を決して制服を脱ぎ始めた。



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