湘南新宿トレインで新宿駅の南に位置する米花駅に降りると、そこは驚異的な犯罪発生率で知られる米花町である。

しかし、生活する場所としては決して悪くない。
町内には小学校から大学まで教育施設が揃っており、遊園地や水族館などの娯楽施設も豊富で、総合病院クラスの医療施設も複数あるなど、非常に恵まれた環境だと言えるだろう。
犯罪に巻き込まれる可能性に目を瞑れば、だが。

今日ここの会場を選んだのは、日本屈指の警察官と日本滞在中のFBI捜査官が参加すると聞いたからだ。
このチャンスを逃す手はない。

「この国と国民を守るために日夜戦う男の人ってカッコいい」

「ありがとう」

突然知らない男性の声が聞こえて驚いた。
いけない。どうやら口に出してしまっていたらしい。
なまえの独り言に反応した男性は、それはそれは見目麗しい美青年だった。
眉目秀麗とは彼のような人のことを言うのだろう。

ミルクチョコレート色の肌にシャンパンゴールドの髪。
澄んだ空を映したような青い瞳が印象的な男性だった。

「僕達には、君のような良き理解者が必要なんだ」

気のせいか、なまえを見つめる双眸が熱を帯びているように見える。

「良ければ君の名前を教えてくれないか」


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恥ずかしいので逃げる


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