どっかりと椅子に腰を下ろすと、悪態をつきながら頭から花瓶の欠片を落としているスクアーロに向かって、ザンザスは始めろと目線で命じた。

「じゃあまずは状況整理から始めるぞぉ。真奈、お前はここが10年後の未来だってことは知ってるな」

「うん。正確には9年と10ヶ月後の未来なんでしょう?」

「ああ、その通りだ」

スクアーロは意外そうにちょっと眉をあげてみせた。
そこまで正確な情報を真奈が持っていたことに驚いているらしい。

「白蘭が……」

真奈は思い切ってその名前を口にした。
どうせこの話し合いの最中、何度となく彼の話題は出てくる事になるのだ。
今更怯えてその存在を避けていても仕方がない。

「白蘭が、私がこっちに来て直ぐに色々教えてくれたの」

「白蘭が?」

どうしてそんなことを、と言いたげな声を出したのはルッスーリアだ。
ザンザスは黙って真奈を見ている。

「他にはどんな事を聞かされたんだぁ?」

「ええと……」

真奈は白蘭とのやり取りを思い出しながら、そこで知りえた情報を順番に話していった。
ボンゴレ本部が壊滅したと知らされた事。
綱吉が死んだと教えられた事。
両親は行方不明になっていると言われた事。
匣とリングによる戦い方について。
そして、実際に匣兵器を出して見せられた事などだ。

真奈には内容の重要性がわからなくても、ザンザス達には何か役に立つ情報が含まれているかもしれないと、記憶に残っている事はすべて話すことにした。



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