「嘘でしょ…」
思わずポロッとこぼれてしまうほどのうるささ。 だって、ドア越しなのに机が壊れる音みたいのが何重にも重なって聞こえるんだもん!骨の折れる音とか!? 私、嫌だよ!骨折れたくないよ!痛いの嫌ァァァァ!!
「…帰っても…いいかな?」 「駄目だろ。別に普通だからこのクラス」
どこが普通なのォォォ!?どっからどう見たって普通じゃないでしょォォォ!? おまっ…馬鹿かァァァァァァ!!
「じゃあ俺、先に入ってるから俺が呼んだら来いよー」 「…マジかっっ!」
再確認として気づいたけど…私って一応、転校生って扱いだったんだ…。 ん?まてよ?アイツ、今なんて言った?
『俺、先に入ってるから』
うおぉぉぉーーー!! ってことは、逃げるタイミングあるじゃなーい! 逃げれるじゃん!
もち、逃走開始。
…その頃、教室。
「うるせェよ、お前ら。今日は転校生来てんだから静かにしなさーい。」 「転校生って高杉が言ってた奴アルか?」 「高杉の薦めなんてロクじゃないんだろ、どうせ」 「いや、普通だったぞ。結構。てか、ツッコみどころがない奴。普通すぎて。」 「それもそれで困るわね。」 「まあ、いいんじゃねーかィ?土方殺せそうだし」 「なんでそこに結びつくんだァァァ!」 「で?その転校生ってのは?」 「あ、そうだ。おーい。」
…シーーン。
「誰も入ってこないアル。」 「どういうこと、これ?」
…ガラッ。
「お、来た。…と思ったら高杉ィィィ!」 「お目当てはこいつだろ?」 「ちょお、離せや!こんにゃろ…!」
捕まったァァァ!!もうそりゃあっさりと。 逃走開始から一分も経たないうちに捕まっちまったよーう!
それまでなんとか音と喋り声だけでもつかと思ったらあんまりもたなかったしィィィ! ちょーーーう読みにくくなっとるやないかーい!
「はい、それじゃあ自己紹介!」 「水城凛、です。嫌いなものは高杉です」
「…本当に普通ね……。」 「リアクションに困るな。」 「でもちょっと可愛いアル。高杉が嫌いなところに親近感湧くね」 「え?でも高杉さんの彼女なんじゃ…」
「んな訳あるかァァァ!カスコラァァァ!!」
私が高杉の彼女!?ないない、ありえなーい。死んでもなーい。 マジないわぁ。高杉の彼女とか。せめて、銀八先生だろ。 高杉の彼女は無理無理。
「うるせェよ、水城。じゃあHRの時間使ってこれからみんなで自己紹介な。因みに俺は坂田銀八。」 「いや、いいよ。さっき聞いたから。人のこと平気で轢こうとする人でしょ?それくらい経験済みだぁい!お前も嫌いだぁ!どっか行けぇいっ!!」 「傷つくぅ…。銀さん傷ついたよ、全くもう。じゃあ俺はこれで」 「え、マジで行くのかよ。先生…」
銀八先生が出て行ったところでみんなの自己紹介がスタートした。
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