ショートショートショート
お話未満のもうそう
他ジャンルもりもり



12/5 12:31
(しずいざ)


(大学生パロ)


「いざや」

「………」


「なあ、いざや」

「だからレポートが終わらないんだって!ちょっとは黙って待っててよ!」

「なんで終わらせとかなかったんだよ」

「…それはちょっと悪かったけど、ふつうレポートなんて前日に無理やり終わらせるものだから!」

「毎日ちょっとづつやれば終わるだろ…?」
「シズちゃんの馬鹿!」



‐‐‐‐
ということでレポートしますすみません…!





12/3 16:29
(しずいざ・虚弱)


昔住んでいたのはとても寒いところだった。
冬はいつでも雪が降っているようなところだった。



冬はつらかった。
あのえぐるような寒さと晴れない気圧とにやられて半分は寝込んでいるようなものだった。学校をサボれるのは嬉しかったけど、重いからだや苦しい呼吸はやっぱり心地よくはない。

でもあそこには確かにあいつが居たから、俺はあの地を離れることが出来なかったし、離れたくなかった。


幼なじみのそいつは、有無を言わさず俺の家に押しかけてくる。だから俺はいつだってそいつに会えた。
いつの日か、どこからどうやったのかも忘れてしまったけれど、二人で俺の部屋にこたつを持ち込んだ。
それ以来俺たちはそのこたつでばかり過ごした気がする。そこアイスを食べたり、色んなことを話したのをよく覚えている。




それなのに、俺はあの地を離れることになった。親が転勤する事になって、子供の俺はついて行くしかなかった。抵抗したって無駄だった。



新しい土地は、暖かいところだった。
体調を崩す回数は驚くほどに減った。

あいつはそれを聞いてとても喜んでいた。
あの時の俺にはそんなの、どうでも良いことだったのに。



しばらくの時が過ぎて俺はやっぱりこの土地が心地よくなった。楽な生活に慣れてしまった。

昔のことは少しだけ忘れた。




大人になって、自由になって、久しぶりにあの地を訪れてみようとふと思い立った。季節は冬を選んだ。
空港に降り立った瞬間に襲われる痛みのような空気の冷たさや風の鋭さが懐かしいというよりも恐ろしく、ここに来たことを少しだけ後悔する。

ぼんやりとしか記憶がないのにあの町に続く道だけははっきり分かった。




この門を曲がれば、昔俺の住んでいた家で、その隣は、



「…シズ、ちゃん」

「いざや…?」



霞んでいた記憶が、濁流みたいな勢いで、押し寄せて、鮮明になっていく。

何でかはさっぱり分からないけれど、馬鹿みたいに涙が止まらなくて、俺はシズちゃんに駆け寄った。

抱きつきたくて、でもそうするには時間が経ちすぎていて、俺は恐る恐る手を伸ばした。





(幼なじみパロ)

‐‐‐‐
このあとシズちゃんは抱きしめてくれるかもしれないし、もしかしたらもう結婚しているかもしれない。







12/3 07:20
(しずいざ)


シズちゃんのふわふわで茶色い髪をかき混ぜる。

「信じられないね、これがあんな金髪だったなんて」


シズちゃんが力を制御出来るようになってしまってから数年が過ぎ、今やシズちゃんに警戒のための小道具は必要ない。

金色の髪、いかにも怖そうなサングラスに、そして目印のバーテン服、平和島静雄という警報が今や全て存在しない。


いまだって普通のシンプルな服に、自前のほんのり茶色いきれいな黒髪をふわふわさせるシズちゃんはただのイケメンでしかない。

ただひとつ。すんと肩口に鼻をよせれば、シズちゃんの煙草のにおいがした。

本当は苦いものなんか苦手中の苦手で、その上根がくそまじめなものだから、真っ当に生きてたら煙草なんて絶対に縁の無い人間だったんだろうに。平和島静雄を演じる小道具のひとつでしかなかったそれ、だけど唯一止めることが出来ないらしい。恐るべしニコチンの中毒性。

ただ俺はこのにおいが好きだった。
獣みたいに美しかったシズちゃんを思い出す唯一の手がかりだからだ。





‐‐‐‐
妄想です。でも電撃magazineのトムさんとしずちゃんの話が少しだけ元ネタだったり。でも全ては妄想です。それにしてもあの時の正臣くんは神!









12/2 16:57
(こきょん)

「電車っていいよな」


唐突な話題、浮かんでくるみたいにはなされる。
いま彼の目に僕は映らない。 


「どういうところがですか?」 


「どこまでも続いてそうなとこ」 


彼の纏う空気が好きだ。 
独特の雰囲気や物言いが、その奥にあるはずの考え方や人間性が、つまりは彼自身に惹かれている。 

だから、たとえばこういう会話が大好きだ。 
彼としか出来ない会話。彼の目にはこの車窓がどんな風に映っているのだろう。僕にとっては何でもない景色、だけど彼にとっては全く違うものに違いない。 
分からない、でも知りたくて仕方がない、彼に触れることができる、この瞬間が本当に大切に思える。


ドアが一斉に開く。風が流れ込んでくる。
知らない駅の名前が遠くで二回呼ばれた。



お昼下がりには駆け落ちを



「この電車はどこまで続いているんでしょうね」

「さあ」

彼の返事は心ここにあらずといった具合に、遠くへ返された。

その距離感をたまらなく甘美に感じるのは、僕が彼のすぐ隣に居るからに違いない。



‐‐‐‐
キョンくんらぶ!
二人が駆け落ちしてるかと言えばそんなこともないかもしれないし、やっぱりそうかもしれない。




12/2 13:19
(しずいざ)

地震のはなし


「あ、地震」

「おお」

「振動3くらいかな?」

「そうだな」

「……」

「なんだよ」

「もし大震災になったったって、シズちゃんなら瓦礫にも負けないね」

「…たぶんな」

「俺のことちゃんと守ってね?」



‐‐‐‐
落ちなかったw
地震のときシズちゃんほど心強い人は居ないと気付いてしまいました!笑






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