▼6/8
【沖斎】「しつこいと言っているだろう」「えー?いいじゃない減るもんじゃないし」先程から隣を歩く総司が俺の手を無理矢理繋ごうと手を伸ばしてくる。「いい加減にしろ、朝から何なのだあんたは!」「…え?」「…は?」「朝が駄目なら夜なら…」それもどうしたものかと考えていた瞬間。「隙あり!」


▼5/29
【沖斎】雨の降る音が聞こえた気がして外を見れば、窓には小さな水滴。洗濯物を取り込まなくてはと、ベランダから見えた部屋の中には、ソファで気持ちよく眠る総司。おそらく、起きたら言い訳のように言うんだろう。「だって、一君が寝かせてくれなかったんでしょ?」きつく抱き締めて、甘い声で囁く。


▼5/25
【沖斎】信号は青に変わった。また明日、と言っていつもここで別れるのだが、総司が動こうとしない。「どうした」「先に一君が行きなよ」「何故?」「見送りたいだけだよ、ばいばい」「あんたこそ先に行けばいいだろう」「僕はいいから、ほら」そんなやりとりを繰り返して、気づけば何度目かの赤信号。


▼5/24
【沖斎】言いたい事など山ほどある。だが、あまりにそれが多過ぎて、何を話せばいいか困り果てていた俺に、総司が言った。「笑っ、て?」頬に触れた細い指先。それが最期の願いだと、俺が作った笑顔は酷いものだったと思う。「一君…また、会えるかなぁ…」「…ああ」約束を違えたりなどしないと誓う。


▼5/23
【沖斎】こういうときってたぶん恋人同士だったら、後ろから抱き締めたりとかそういう感じなんだろうなって思うんだけど。飛び乗った終電は、動く隙間もない。「大丈夫?」「あ、ああ…」小さな声で返事をした一君。「なっ……!?」どさくさに紛れて腰を引き寄せ、ついでに、額に一瞬だけキスをした。


▼5/17
【沖斎】「あ、忘れ物した!」一君の家に泊まった翌朝。「……俺は何度も確認しろと言ったはずだが?」取りに戻り、鍵を開けてもらった。「一君も一緒に探して?」扉が閉まり、靴を脱ぐ寸前。一君の顔を覗き込む。「何だ?」僕の忘れ物は、君が持ってる。「…っ!?」ゆっくりと近づいて、キスをした。


▼5/14
【沖斎】「あー、幸せ」心地いいポカポカ陽気の縁側で、一君の膝枕。「ずっとこうしていられたらいいのに」「……働かざる者、」「わかってるよ、わかってる。ちゃんと隊務はこなすけど」僕を呆れ顔で見下ろす君の頬に手を伸ばす。「あと少しだけこうさせて?……それとも、交代する?」「…総司っ!」


▼5/13
【沖斎】「一君、まだ寝ないの?」まだ少し作業が残っているのだと、画面を見ながら答えた彼に、終わるまで待ってるね、と言って隣に座った。しばらく、その横顔を眺めていれば「頼む、少し一人にしてはくれぬか」「え、邪魔しちゃった?ごめん」「あんたが隣に居ると、触れて欲しく、なる…」「!!」
↑という夢落ち。


▼5/10
【沖斎】記念日など、あまりこだわらないだろうと思っていた。「お帰りー」だが、今日くらいはいつもより長く傍に居たいなど、恥ずかしくて言えるはずもなかった。食事を終え、リビングでくつろいでいた日常の中で。「はい、一君」「何……?」俺の目の前に差し出されたそれは、唐突に、幸せを告げた。


▼5/5
【沖斎】「おはよう一君」ほんの少しずつ覚醒し始めた意識の先で、総司の声がした。起きたばかりらしい、うん、と両腕を伸ばしながら欠伸をしていた。「髪、伸びたな」「え?あ、そうかも」自分も体を起こし、総司の毛先に少し触れた。「何なら一緒に行こうか?並んで切ってもらおう」と、悪戯な笑顔。


TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -