罵って


さぁ


その美しい顔で


汚い言葉で



私を罵って













「やぁおはよう、陽チャン?」


私はカレギア城に住んでる
住んでるって言ったら聞こえは言いけど、実際のところは捕虜みたいなもの

王の盾への反逆罪だかなんだか知らないが
私の両親は、この目の前の男
サレの手によって首を刎ねられた


兵士に取り押さえられて泣き叫ぶ
私の目の前で



私の両親の反逆が誤報だと後で分かった
だけど、プライドが高いバルカの人々だ、その情報が認められる事は無かった



「最近ぼーっとしてるみたいだけど…風邪かな?」


サレは私の額に触れる
冷たくてひんやりとした手


「ん、熱は無いみたいだねぇ…
何か欲しい物はあるかい?」


「……無いです…」


「そ?」


妖艶にフフッと微笑むと、彼は窓を開けて外を眺める


その横顔はとても綺麗










ドウシテ優しくするの?


ドウシテ殺さないの?










いっそのこと

蹴って

殴って

切り刻んで

罵ってくれたら



貴方を嫌いになれるのに

優しくされたら……





END



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