魔女の呪いの指輪です



「ねぇ陽チャン?」


珍しくご機嫌な私の主、サレ様

いつもなら私が同じ部屋に居るだけで
『いくら掃除しても君がこの部屋にいる限り綺麗にはならないねぇ』
と嫌味を言う…

こんな風に話し掛けられた事などない。

いつも大嫌いなこの人の元から逃げ出してやる




「な…何ですか…?」


「ふふっ…怯えてるね、可愛いよ」


「………。」


サレ様は立ち上がると
私の目の前に来て、小さな箱を取り出した


「左手、出して」


そう言われ
恐る恐る左手を出した


「うん…サイズもピッタリかな」


ポツリと呟くと彼は箱から小さなリングを取り出し、私の薬指に嵌めた


「これ、は……」


彼のような深い紫色のアメジストの石が嵌め込まれている
美しいリング


「君はずっと僕の側に居るんだよ…このリングが有る限り……君はこのリングを外せない…」





逃げ出そうと思っていた事、また心の何処かで逃げられないと思っていた事

全てを彼に見透かされていた


















「愛してるよ、陽チャン…クスッ…」












嵌められた指輪は
魔女の呪いの指輪です

もう私は逃げられません




深い深い呪いに
手足を…心まで
絡め取られてしまったから…




END





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