突入
ツナ達は山本とランチアを寝かし、六道骸がいるであろう黒曜ランドへと侵入していた。中はボロボロで壁の塗装は剥がれ階段も壊されているが、きっと一つだけは生きている階段があるのだろう、とリボーンは言った。六道骸はきっと上の階にいる。階段を一つにすれば此方の移動ルートも絞れるという利点があるからだ。それは自分の退路を絶つことにも繋がるが、逆に言えば勝つ気しかないという強気の現れだろう。
「ん?、携帯が落ちてる…。壊れてら…」
「あ!もしかして、雲雀さんのかも!雲雀さん…携帯の着うた、うちの校歌なんだよね」
「なぁ!?ダッセー!」
その後もツナ達は色々歩き周り、壊されていない階段を探した。一体何処にあるのだろうか、と次の扉を開けてみればやっと壊されていない非常用のハシゴを見つけた。
「あ、あったー!」
皆でそのハシゴを登ろうとすれば、背後からシュルルル…パシっ、という獄寺の聞き覚えのある音が聞こえた。一斉に振り返れば、先ほどランチアに針を刺した千種の姿が。
「出た!ヨーヨー使い!」
ツナはあわあわと慌て出した。しかしその時、複数のダイナマイトが宙を舞った。それはいつものように爆発しなく、プシュウウ…と煙を巻き上げる。
「10代目。此処は俺に任せて行って下さい」
「獄寺君!」
獄寺はツナを庇って千種と対峙するようにダイナマイトを手に持ち前へと出た。煙幕を出したのも、ツナ達を上へと行かせる為だ。そんな彼に姉であるビアンキは、獄寺本人の状態を告げた。
「隼人聞いて!貴方は前やられた時、シャマルのトライデント・モスキートで命を取り留めたの」
「なっ、よりによってあいつに…!」
「かけられた病気が完成するまでには副作用が起こるの。また激痛を伴う発作が襲うわ。それでもやる気?」
「あたりめーだ。そのために俺はいる」
その表情には迷いなど一切感じられなく、ビアンキはそれ以上何も言えなかった。本当であれば、無茶はして欲しくない。けど、弟の覚悟を踏みいじることは野暮だと思った。
「行きましょ、ツナ」
「え…でも…」
「行ってください。10代目は骸を!」
「そりゃそーだけど…」
「終わったら、また皆で遊びに行きましょう」
獄寺だけを此処へ置いていくことを渋っていたツナであったが、ニカっとした笑顔を見せられ思い出した。本来の目的を。ツナは表情を緩ませて獄寺に頷いた。
「……そ、そーだよね。行けるよね」
「もちっス!」
「わかった!行くね!」
そう言い、ツナは獄寺の背後を走ってハシゴを登った。2人だけとなったこの場で獄寺は好戦的な瞳をしながら千種を睨んだ。
「大人しく行かせてくれたじゃねーか」
「骸様の命令だ」
「オメェに一つ聞きてーことがある」
それは、連絡が取れない彼女のことであった。単に連絡がつかないだけであれば、それはそれでいいのだ。なんで電話に出ねーんだよ。ふざけんな、と注意をするだけで済むのだから。でも、連絡がつかないのが目の前の奴らの所為であれば、その時はどうなるかわからない。
「此処に並中の女はいるか?」
いない、って言えよ。
そんな奴知らねぇって。
あいつが幸せだ、って言った日常を俺は壊したくねぇんだよ。
しかし、千種から紡がれた言葉は無情だった。
「……いるよ。骸様が拘束してたし」
その瞬間、獄寺の中で何かが弾けた。ギリ…と歯ぎしりし、ダイナマイトを持つ手に力を込めた。
「、ふざけんじゃねぇ!!」
そして獄寺の闘いは始まった。頭には星空の下で涙を流す舞の姿が浮かび上がった。
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ツナ達は山本とランチアを寝かし、六道骸がいるであろう黒曜ランドへと侵入していた。中はボロボロで壁の塗装は剥がれ階段も壊されているが、きっと一つだけは生きている階段があるのだろう、とリボーンは言った。六道骸はきっと上の階にいる。階段を一つにすれば此方の移動ルートも絞れるという利点があるからだ。それは自分の退路を絶つことにも繋がるが、逆に言えば勝つ気しかないという強気の現れだろう。
「ん?、携帯が落ちてる…。壊れてら…」
「あ!もしかして、雲雀さんのかも!雲雀さん…携帯の着うた、うちの校歌なんだよね」
「なぁ!?ダッセー!」
その後もツナ達は色々歩き周り、壊されていない階段を探した。一体何処にあるのだろうか、と次の扉を開けてみればやっと壊されていない非常用のハシゴを見つけた。
「あ、あったー!」
皆でそのハシゴを登ろうとすれば、背後からシュルルル…パシっ、という獄寺の聞き覚えのある音が聞こえた。一斉に振り返れば、先ほどランチアに針を刺した千種の姿が。
「出た!ヨーヨー使い!」
ツナはあわあわと慌て出した。しかしその時、複数のダイナマイトが宙を舞った。それはいつものように爆発しなく、プシュウウ…と煙を巻き上げる。
「10代目。此処は俺に任せて行って下さい」
「獄寺君!」
獄寺はツナを庇って千種と対峙するようにダイナマイトを手に持ち前へと出た。煙幕を出したのも、ツナ達を上へと行かせる為だ。そんな彼に姉であるビアンキは、獄寺本人の状態を告げた。
「隼人聞いて!貴方は前やられた時、シャマルのトライデント・モスキートで命を取り留めたの」
「なっ、よりによってあいつに…!」
「かけられた病気が完成するまでには副作用が起こるの。また激痛を伴う発作が襲うわ。それでもやる気?」
「あたりめーだ。そのために俺はいる」
その表情には迷いなど一切感じられなく、ビアンキはそれ以上何も言えなかった。本当であれば、無茶はして欲しくない。けど、弟の覚悟を踏みいじることは野暮だと思った。
「行きましょ、ツナ」
「え…でも…」
「行ってください。10代目は骸を!」
「そりゃそーだけど…」
「終わったら、また皆で遊びに行きましょう」
獄寺だけを此処へ置いていくことを渋っていたツナであったが、ニカっとした笑顔を見せられ思い出した。本来の目的を。ツナは表情を緩ませて獄寺に頷いた。
「……そ、そーだよね。行けるよね」
「もちっス!」
「わかった!行くね!」
そう言い、ツナは獄寺の背後を走ってハシゴを登った。2人だけとなったこの場で獄寺は好戦的な瞳をしながら千種を睨んだ。
「大人しく行かせてくれたじゃねーか」
「骸様の命令だ」
「オメェに一つ聞きてーことがある」
それは、連絡が取れない彼女のことであった。単に連絡がつかないだけであれば、それはそれでいいのだ。なんで電話に出ねーんだよ。ふざけんな、と注意をするだけで済むのだから。でも、連絡がつかないのが目の前の奴らの所為であれば、その時はどうなるかわからない。
「此処に並中の女はいるか?」
いない、って言えよ。
そんな奴知らねぇって。
あいつが幸せだ、って言った日常を俺は壊したくねぇんだよ。
しかし、千種から紡がれた言葉は無情だった。
「……いるよ。骸様が拘束してたし」
その瞬間、獄寺の中で何かが弾けた。ギリ…と歯ぎしりし、ダイナマイトを持つ手に力を込めた。
「、ふざけんじゃねぇ!!」
そして獄寺の闘いは始まった。頭には星空の下で涙を流す舞の姿が浮かび上がった。
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