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だいぶ時間がなくなってしまった。それでもリボーンは見つからない。時間もだんだんと迫って来ていることに舞も焦りを隠せなかった。


「…もう!リボーンはどこにいるの!?」
「ここだぞ」

「え」


リボーンが現れたのは非常ベルが取り付けられている扉の向こう。中ではリボーンが快適そうにコーヒーを沸かして飲んでいた。


舞はツッコミたい部分もあったが今は駄目だと抑え込み、リボーンに身長を合わせるようにしゃがみこんだ。


「こんなところにいたんだリボーン。探したんだよっ!このままじゃ沢田君が…」
「ああ。今のアイツじゃ死ぬ気弾は使えないからな」
「…だよね!どうしよう」
「お前はアイツを甘やかし過ぎだぞ。大丈夫だ。俺の生徒なんだからな」


舞は自分よりうんと小さなリボーンをじっと見る。彼の瞳には一切の迷いが見えない。リボーンの言うことはいつも正しいのだ。だからリボーンの言葉は信じられる、と舞は強張っていた表情を緩めた。


「…そっか。そうだね。過保護になるのは良くないね。自分で成長する事が大事なんだよね」
「そうだぞ。だがらお前は見守っているだけでいいんだ」
「……うん、わかった」


見守る“だけ”その言葉が舞に重くのしかかる。誰かが困っていれば手を差し伸べてあげたいと思う舞にとってこの与えられた使命は実はとても辛いものだった。



▽ ▲ ▽



結果を言うとツナは頑張った。最初こそはダメダメでチームの足を引っ張っていたがある時を境にやる気になったようだ。そんな彼の姿を見たリボーンが彼の両脚にジャンプ弾を撃ち込みツナは大活躍をし勝利を収めた。


「(リボーンの言う通りだ)」


やっぱり自分の力で頑張る事に意味があるんだ。それは他人頼みでは決して成長できない。それを沢田君に教えていたのね、と舞はリボーンの先を見通す力に驚いた。


きっと彼等はこれから良いコンビとなるな…と微笑んだ。あらかじめ全てが決まっている事項なんて無い。しかし、彼等の絆がどこよりも深くなることは不確かであるが確実な未来であるように感じた。


舞はこれからのリボーンの指導でツナがこれからどのような成長を見せてくれるのかが楽しみでならなかった。最早気分は我が子を見守る母のようだ。


「(沢田君。貴方がボスとなる日を目指して、あたしもめいいっぱい貴方に尽くすからね)」


ツナ自身はそんなこと少しも望んではいないだろう。しかし使命を守るべく舞はリボーンの再会により強くなった思いを決意とし胸に刻んだ。



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