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獄寺隼人


「イタリアに留学していた転入生の獄寺隼人君だ」


今日ツナと舞のクラスに転入生がやってきた。彼の最初の印象はというと、とにかく目つきが悪い。だがここのクラスの女子はかっこいいと全員が口を揃えて顔を赤らめていた。しかし舞はそんなことは思わず興味なさそうに転入生を見ている。


「(…なんだか不良みたいな人だな。)」


ま、あたしには関係無い人種だな、とそんなことを思っていた。ツナはツナで周りの女子達のように京子が転入生の事が気に入っているのではないかと気が気じゃない。そんな気になる転入生の獄寺はツナに向かって思い切りガンを飛ばした。


「(な!なんだよ〜〜〜!?」)


ツナはその向けられる形相に青ざめ身体を強張らせた。舞はそんな顔を向ける転入生が気に食わない。


「(…何あの人っ!?沢田君が怖がってるじゃん)」


ツナは舞にとって絶対の存在だ。だから彼の恐怖心を煽る転入生にイラつきが隠せなかった。


「獄寺君の席はあそこの…獄寺君?」


転入生は先生の言葉を無視しズンズンとツナの目の前まで歩きツナの机のを蹴り上げた。


ーーガッ。


「でっ!」
「(…うん。あの人は敵だ。敵は……成敗しなくっちゃ)」


そんな事を心の中で誓った舞であった。舞はツナの後ろの席あるので転入生にいきなり絡まれ不思議がっているツナに声をかけた。


「沢田君大丈夫?災難だったね」
「う、うん。なんだったんだろう。女子って…ああいうのが好きなの?」
「他の女子はわからないけど…あたしはああいう人嫌いっ。だっていかにも不良みたいじゃん」
「えっ…そ、そっか」


ツナの中で舞は誰も他の人を悪く言わないイメージがあったので初対面の転入生をそこまで言う舞に驚いた。


「沢田君はあの人のこと気にしなくて良いと思うよっ」
「え」
「不良なんていきがってるだけなんだし…すぐに丸くなるって!」


ニコッとツナにそういう舞だったが浮かべている表情とは違い心中は穏やかではなかった。この言葉が意味するのは、あたしが転入生を倒して丸くしてみせる…ということだ。そんなこととは知らないツナは、うんと頷くだけだった。


その後教室内では獄寺を変に思う一方で女子達がカッコいい、シビれる、ファンクラブ結成だと次々に思った事を口に出していた。



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