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- ナノ -
ディーノ再び


「ツナ君。急ごっ!」
「うん。ディーノさんの亀騒動のおかげで寝坊しちゃったよ」


雀が囀る爽やかな朝。ツナと舞は揃って寝坊をしてしまい急いで学校へと向かおうとした。家を出ると、昨日のディーノの部下が大勢立っておりなんとも物騒な光景であった。


「ボンジョルノ。ボンゴレ10代目と舞嬢」
「あっ…どうも…ディーノさんでしたら…」
「おはよう!ロマーリオ!」
「なんだお前ら、迎えなんて頼んでねーぞ」


まだ眠たそうに目を擦りながら扉を開けたディーノ。


「誰も迎えになんて来てねーよ。ボス」
「ん?」
「散歩してブラついてたらここについたたげだぜ」


その他の部下も口を揃えて同じことを言う。ロマーリオ達が泊まっていたのは駅前のホテルなのだがボスであるディーノが愛されている証拠だ。そんな微笑ましいファミリーの姿にツナと舞は口元を緩ませた。


「おはよーございます。10代目!!」
「(獄寺君!!)」
「早起きしたのでブラブラしてたらここに着いちゃいました」
「(同じこと言ってるー!!)」
「おはよっ。獄寺」


ツナに見せる笑顔から一転、舞が獄寺に挨拶をするといつものように顔を顰めた。もうこんな顔を向けられるのは日常茶飯事。舞は気にせず笑顔を向けていた。


「テメェがなんで10代目と一緒にいるんだよ」
「だって、あたし昨日ツナ君の家でお泊まりしたんだもん」
「なにぃ〜!?10代目の家に泊まっただと〜!!?チビ女の分際で!」
「なによっ!あたしの分際でって!!」


ガルル…と睨み合う2人の争いもほぼ日常化していた。そんな彼らを止めるのはいつもツナの役目。慌てふためきながら2人の間に割って入る。


「す、ストップ!2人とも!!」
「だって、こいつが…」
「チっ。それより何スか。この連中は?」


煮え切らない舞であるがボスのツナに言われたら止めざる終えない。同じことを考えたのか獄寺も言い合いを止め、周りにいる不自然なディーノの部下達に視線を傾けた。


「よぉ。悪童スモーキン・ボム。会うのは初めてだな」
「!…そのタトゥー、跳ね馬のディーノ…!」
「ツナと獄寺と舞じゃねーか」
「「!」」


新たにやって来たのはツナのファミリーの最後の1人である山本。彼はツナと獄寺の肩に腕を回しながらいつもの眩しい笑顔を皆に見せた。


「何やってんだおめーら。遅刻するぜ!!」
「おはよう!武君」
「よっ、舞。さっさと行こうぜ」
「馴れ馴れしくすんな!」
「ディーノ行ってくるね!」
「おう!」


ディーノに別れを告げ、4人は並んで学校へと急いだ。



▽ ▲ ▽



「へー。ディーノさんが?」
「ええ。あいつが先代が傾けたファミリーの財政を立て直したのは有名な話っス」
「マフィアキャッバローネファミリーっていったら今じゃ同盟の中でも第3勢力なんだよ」
「へーーっ」


ディーノは経営者としてもやり手なのか。やっぱりかっこいいな、とツナは獄寺と舞の話を興味津々で聞いていた。


「どっちにしろ俺は好かねースけどね」
「え…な…なんで?」
「年上の野郎は全部敵スから」
「(範囲広!!!)」


あまりの獄寺の偏見に舞は呆れたように息を吐いた。


「なあツナ。さっきマフィアって言ってたけど…」
「(やばい…山本の前で話しちゃった…)」
「変な会社名だな」
「(そーきたー!!)」


山本は相変わらずの天然っぷりだ。その時、ギャギャッと大きな音を鳴らしがらツナ達の横に車が寄せられる。その中からロープが飛び出しツナをぐるぐると縛り上げ、車はそのまま進みツナが誘拐されてしまった。


「10代目!!」
「ツナ!!?」
「ツナ君!?」


ツナを追いかけようにも気づけば車は遥か彼方の先まで行き小さくしか見えない。そこで今の状況を説明してくれたのはいつの間にか傍にいたリボーンであった。


「ありゃ、ここら一帯を締めてるヤクザ。桃巨会の車だな」
「リボーンっ!」
「ヤクザといえばジャパニーズマフィアだ。大人マフィアに中学生のお前たちが敵うわけねぇ。ここは警察に任せろ」


リボーンは、焦ることなくいつもの調子で獄寺達に告げる。だが落ち落ちと警察を待っていられる3人ではない。


「任せられません!!」
「警察は頼んだぜ小僧!!」
「あたし達がスパッとツナ君取り戻してみせるね!」


それから3人でツナの後を追うように桃巨会へのアジトへと全速力で走った。これがディーノとリボーンの策略であったことも知らずに。



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