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「何やってるんですかーー!!!」


舞と獄寺の件でツナ達が困惑する中、1人の怒声が中庭に響きわたった。


「ハル!?なんでお前がうちの学校にいるんだよ」
「今はそんなこと関係ありません!ランボちゃんを泣かすなんて最低です!それに、いくら舞ちゃんがプリティだからといって無理矢理抱き着くなんて獄寺さんあんまりです!!」
「はぁ!?どこをどーみたらそーなんだよ!このアホ女っ!ちゃんと目ん玉ついてんのか!?」
「…ハルちゃん?」


本当は一方的に舞が獄寺にひっついているだけなのだが舞愛が強いハルが見ると悪いのは獄寺だ。舞は混乱をしていたがハルの声を聴き正常を取り戻し、あまりの獄寺との顔の近さに今更だが驚愕した。


「え、…っ、、ご、ごめん」
「チッ」


直ぐ様、獄寺の首に回していた手を解く。なんて大胆なことをしてしまったのだろう。我に返った舞は事の重大さに気づき真っ白な肌は一気に赤く染まっていく。獄寺はやっと離れたことに舌打ちをしタバコを加える。だがその獄寺でさせもほのかに顔を赤らめていた。やはり中学生の男子。何とも思っていない女子でもあそこまで密着してしまえば照れるのは当たり前だ。


「ランボちゃん大丈夫?」


ハルは未だに泣いているランボに向かって優しく声をかける。そして、ギュッと腕の中に寄せた。


「こんないたいけなチャイルドを泣かして!たとえツナさんでもランボちゃんをいじめたらハルが許しません!」


これまた本音を言えば最終的にランボを泣かしたのは舞であるが怒りで震えているハルには理解できない。その時、ランボはハルに抱かれながら頭から10年バズーカを取り出した。


「はひ?」
「げっ、10年バズーカ!!」


ツナが叫んでももう遅い。10年バズーカは噴射され辺りは煙で包まれる。そして入れ替わった10年後のランボ。5歳のランボは軽々抱けたハルだが15歳ともなれば話は別。重さに耐え切れなかったハルは大人ランボを地面に落とした。


「う。やれやれ、何故いつも10年前に来ると痛いのだろう…」
「はひー。誰ですかーー!!?」


大人ランボに初めて会うハルは驚きの色が隠せない。まあランボだと気づく者は中々いないだろう。


「お久しぶりです。親愛ある若きハルさん」
「キャアアアア。エロ!ヘンタイ!胸のボタン閉めないと猥褻罪で通報しますよ!何か全体的にエロい!!!」
「こ、これはファッションで…」


ランボは至って普通に挨拶を交わしただけなのだがハルは顔を真っ赤に染めながら大人ランボの頬に平手打ちをかました。そのことにツナも大人ランボも目を丸くし、ファッションを貶された彼は落ち込んでいる。


「(ハル…大人ランボダメなんだ)」
「(あれ…いつの間にか、ランボ君が大人になってる)」


小さなランボはあんなに可愛がっていたのに大人ランボには目を合わせないハルの変わりぶりにツナは乾いた笑みを浮かべ、舞はこの場が騒がしくなってランボが入れ替わったことに今、気づいた。落ち込んでいる大人ランボに畳み掛けるように獄寺は言い放つ。


「ハルわかるぞ!お前の言う事は最もだ。それに何だこの変てこな首輪は」
「え」
「おめぇ鼻輪が似合ってるんだよ。アホ牛!」


カッカッカと悪代官のように笑う獄寺は最早ただのいじめでしかない。精神的ショックが図りしれない大人ランボはフラフラになりながらこの場を去ろうとする。彼はなんとも不憫なキャラだ。


「あ」
「ランボ君また会ったね」


去ろうとする大人ランボの目の前にいたのは舞。今の時代では当たり前のように舞の方が背は高いが10年も経てばすっかり彼に追い越されてしまっている。それが舞はちょっぴり不満に感じたが、仕方無いと大人ランボを見上げ笑顔を浮かべた。


「…舞、さん…。また…お会いできて、嬉しいです」
「(まただ)」


初めて会った時もそうだが何故か大人ランボは舞の姿を捉えると眉を下げ悲しげに瞳を揺らす。その瞳からは悲痛、喜び、切なさが入り混じっているようだった。舞はそれが理解できない。だが彼の様子から何故か聞いてはいけないような気がした。


「(聞いてしまえば何かが、変わってしまう気がする…)」


舞は聞けないまま口を結んだ。すると山本が大人ランボの落とした角を投げ飛ばした。先程の通り投げることに関しては山本は加減ができない。思い切り投げられた角は大人ランボの額に直撃し彼は声を上げメソメソと泣いた。


「結局こうなるのか………」
「やっぱツナが面倒みるしかねーな」
「お前最初からそのつもりだっただろー!!」


やはりランボの保育係は10代目であるツナに決定したのであった。



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