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「患者はこの人です!」
「ん。何度言ったらわかんだ?俺は男は診ねーって」


医者としてどうなんだろう。最低すぎるシャマルの言葉に獄寺は眉を吊り上げた。


「てか本当に生きてんのか?瞳孔開いて息止まって心臓止まってりゃ死んだぜ」
「ドーコー開いてます」
「息も止まってる……」
「心臓…」


シャマルの言われた通り死んでいるかどうか皆で確かめる。そして最後に心臓を確認した獄寺の言葉でこの場にいる舞以外の中学生が意気消沈した。


「止まってる」
「「「(死んでるーー!!)」」」
「あ〜。やっぱりダメだ〜〜!人殺しちゃったーー。本当に殺しちゃった〜!!」


人を殺してしまったという事実を本格的に突きつけられツナは頭を抱えて泣き叫んだ。周りにいる皆の空気も重い。


「こんな時のためにもう一人呼んどいたぞ」
「え?」


するとツナの家の前からバイクがやって来る音が響き渡る。バイクを乗って来た人物はツナの部屋が2階であるにもかかわらず窓から浸入してきた。


「やあ」
「「ヒバリー!!」」
「(雲雀先輩…?)」


ハルの腕に顔を埋めていた舞だが皆が雲雀と叫ぶのでゆっくりと顔を上げる。


「今日は君達と遊ぶためにきたわけじゃないんだ。赤ん坊に貸しを作りに来たんだ。ま、取り引きだね」
「待ってたぞ。ヒバリ」


死体を見て雲雀は妖しく口元を吊り上げる。そして死体を足で転がせた。


「うん。この死体は僕が処理してもいいよ」
「はあ〜〜!!?何言ってんの〜!!?」


死体を見つからないように消して殺し自体を無かったことにするために雲雀はリボーンに呼ばれたのだ。中学の風紀委員だというのにどれだけの力を持っているのだろうか。驚きで開いた口が硬直してしまう。


「じゃあ後で風紀委員の人間よこすよ。…それより舞は何で泣いてるの?」
「へ!?」
「君らが泣かせたのかい?」


ここで自分の話が上がるとは思わなかった。だが今の顔は涙で腫れているだろうしあまり見せたくない舞は雲雀から目線を外した。


「ち、違いますよっ!」
「そうです!今の舞ちゃんはブロークンハートなんです!ああ。ハルが慰めてあげますからね!」
「ふーん。良くわからないけど並中の女子生徒を多勢で泣かせたら並盛の風紀が乱れるから気をつけてよね。特に…僕の暇潰しを泣かせたら、咬み殺すから」


またね、と雲雀は颯爽に窓から飛び降りる。ツナが慌てて引き止めるがその時は既に遅い。そして雲雀に前やられたことを根に持っている獄寺が大量のダイナマイトに火を灯す。


「10代目!!どいてください!あいつだけはやり返さねーと気が済まねぇ」


果てろ!!と叫びながら雲雀にダイナマイトの雨を降らす。しかし雲雀は余裕の笑みでダイナマイトをトンファーで吹き飛ばした。


「そう死に急ぐなよ」


吹き飛ばしたダイナマイトはツナの部屋に向かって飛んでくる。そして、大爆発をしたのだった。ツナの部屋は辺り一面、煙に包まれ大惨事に。


それからなんと死んだと思われていた男は息を吹き返し挨拶を交わし出した。なんでも、この男はリボーンが呼んだ「殺し屋」のモレッティで自分の心臓を止めて仮死状態になるボンゴレ特殊工作員だったのだ。また、リボーンの仕業かと普段のツナだったら怒るとこだが今回の事件は精神的疲労が大きく怒る気力も起きないのであった。



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