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ハルが問題に奮闘している最中、山本は舞に視線を向け声をかけた。


「そーいやぁ、舞は補修じゃなかったのな」
「あ、うん。今回のテストは獄寺に教えてもらったからなんとかセーフだったの」
「え?獄寺君に?」


うん、と笑いながら頷く舞。獄寺が舞に勉強を教えるなんて珍しいとツナは獄寺の方へ向き目を丸くさせた。


「このチビ女が教えろ教えろって煩くって仕方なく教えてやったんスよ。まあ、10代目護衛作戦会議のついでだったんで特別に」
「え!!?護衛作戦会議!??(またなんか変なことやってるよ〜)」
「そうなの!獄寺が右腕としてツナ君の役に立ちたいからって頻繁に開いてるんだ」
「へぇ〜。面白そうだな。俺も今度参加させてくれよ」
「もちろんっ!」
「テメェは来んな。野球バカ」


ツナは驚きで言葉も出ずに口をパクパクとさせている。自分はマフィアのボスになる気はさらさらない。だが、いつもいつも周りはそんなツナの気持ちを無視し事を進めていくのだ。頭が痛くならないわけない。


「もうちょっとです」


ハルの声に全員が本来の目的を思い出し期待の視線をハルに這わせた。しかし時が10分、1時間と刻々と過ぎていきついには3時間が経ちハルの無念の声が部屋に響いた。


「ごめんなさい!わかりませんー!!!」
「「「なにーーー!?」」」


辺りはすっかり太陽が沈み闇夜に。この状況でのその言葉はものすごく痛い。ツナ達は怒りや焦り、驚愕で声を荒げた。

「てめーーーっ。わかんねーならハナっから見栄切んじゃねー!!」
「やばいよ。夜になっちゃったよ!!」
「ち、ちょっとヤバいかも…」
「解ける気がしたんです………」


このままではツナと山本は退学になってしまう。どうしようとツナと獄寺は慌てイライラしていると山本が苦笑をしながら打開策を提案した。


「まーまー。落ち着けって、ツナと獄寺。とはいえ、中1の問題だぜ。大人に聞きゃーわかんだろ?」
「大人?」
「大人っていったら…」


2人の頭に揃って浮かんだのは10年後の大人ランボの姿だった。だが、少し考えそれは有り得ないと頭から消した。


「ああ!この問題解けそーな大人の女性知ってます!!」
「ハルちゃんナイスっ!」
「マジ!?」
「はい。この前おでん一緒に食べたんですけどすっごい美人で趣味は料理なんですよ〜」
「スゲー完璧」
「女の中の女だな」


ハルが言うその大人の女性に全員が期待を膨らませハルは呼ぶために電話をかけた。するとハルの口から驚愕の名前が聞こえる。


「あ、もしもしビアンキさん?」


その名を聞いて獄寺とツナは大発狂をしながら拒絶。反対に舞は、ビアンキさんに会える!と嬉しそうに顔を緩ませた。そして、すぐにビアンキはツナの家まで到着し、その姿を見た獄寺の叫び声が家中に木霊した。


「うぎゃああああっ!!」


獄寺を舞が座っていたベッドで寝かせる。眠っていても魘されている獄寺を見ると気の毒でしょうがない。だが問題を早く解かないわけにはいかないのでビアンキにプリントを見せ解けるか問う。


「どうビアンキ…わかる?」
「そうね…こんなものどーでもいいわ」


そう言いながらビアンキは潔くプリントをビリビリに引き裂いた。問題が解けない上にプリントまで失くされたらツナは泣くしかない。この後もハルが大学で数学を教えている父を呼んだり、何故か赤ん坊なのに天才数学者だったリボーンが最終的に問題を解いたりとツナ達の長い夜はまだまだ続くのであった。



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