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- ナノ -
問7


1学期も終わり夏休みに入った並盛中学校。だが夏休みにもかかわらずツナに山本は補習のため学校へと通っていた。そして今日は明日までの宿題まで課せられツナの気分は下がるばかり。山本に声をかけられ共に宿題をやることとなったツナは自宅で待機をし山本が来るのを待っていた。


「いいか!大人しくしててくれよ!」
「口出しはしねーぞ」


リボーンが絡むと碌な事にならないことを理解しているツナはひつこく言い聞かせた。そして、ピンポーンとインターホンの音が鳴る。ツナは自分の部屋から出、階段を降り扉を開いた。


「「おじゃましまーす!」」
「な!」


ツナの家に足を踏み入れたのは山本だけではなく何故か獄寺までいた。彼がいることに驚くツナだがどうやら山本が誘ったみたいだ。


「考えてみたらわかるやついねーと終わんねーだろ?獄寺がいたら百人力だぜ」
「よせやい」


山本の言葉に獄寺はタバコを咥えながらポッと顔を赤らめた。


「(た…確かに…獄寺君って怖いけど…勉強はできるもんな…。案外、獄寺君のおかげですんなり終わるかも!)」


こうして宿題は3人で取り組むこととなった。獄寺の指導の元、宿題を着々と進めていく。


「そんでもってこーなるワケです」
「獄寺おまえさっきからよーー。教科書読んでるだけじゃん」
「「なっ」」


教えてもらっている立場の山本がそう言えば獄寺が怒らない筈は無い。青筋を立てながら机を両手でドンと叩きつけながら山本を鋭く睨んだ。その怒り様にツナは、ひいっと怖がり体を震えさせた。


「てめーっ。なめてっとブッ殺すゾ!!!ここに解き方は全部載ってんだよ!」
「うんうんそーなのな」


獄寺に睨まれても山本は爽やかな笑みを絶やさない。獄寺の言葉に賛同をし、おかげで大体解けたぜとプリントを獄寺に見せた。そのプリントを見た獄寺は明らか様に落ち込みの色を見せている。舌打ちをしながらボソっと合ってると呟いた。


「(スゲー山本…。野球が忙しいから成績悪いだけでやればできちゃうんだー!!)」
「つっても問7はさっぱりわかんなかったけどな」
「!ガッハッハ。まだまだバカだな山本ォ!」
「………獄寺君…」


落ち込んでいた獄寺だったが山本の言葉を耳にすれば今度は嘲笑うかのように声を出して大笑いをする。その変わりようにツナは呆然とした。


「問7はなー…。……………………わかんねぇ…」
「え!?」
「まじーな。全部解けなきゃ落第だったけ?」


秀才である獄寺でも解けない問題に3人は慌てふためいた。それに加え山本の爆弾発言。獄寺は先程よりも強い力で机を叩き込み拳を上にあげ怒りを露わにさせた。


「な…なにーー!!?なんでそれを早く言わねーっ!!」
「まーまー。まだ時間あんだしよぉ力を合わせて考えよーや」
「ったりめーだ!10代目を落第させるわけにはいかねーーっ!」
「ハハ…」


しかしそうは言うものの問題を解く手は一向に進まず時計の針は進むばかり。3人で懸命に頭をかかえるがやはり解けない。部屋には重い空気がツナ達にのしかしそれがまた彼らを追い込んだ。


「このくそ暑いのにお前達むさくるしーぞ。いっそのこと我慢大会やれ」
「暑っ!!!」


ツナが盛大なツッコミを入れるのもしょうがない。リボーンは真夏であるにもかかわらず、こたつに入り熱々のお鍋を口にしていた。その姿はまるで後ろに木枯らしでも見えるような冬の格好そのものである。


「何やってだよ!!悪魔かおまえは!」
「俺じゃねーぞ」
「お前以外に誰がこんなこと………!」


ツナが怒鳴り声を上げると新たな存在に気づく。生気が感じられないくらい程に落ち込むハルとそれを励ます舞の姿がツナの目に入った。


「ハルは悪魔じゃ…ありません…」
「そうだよ!ハルちゃんは悪魔なんかじゃないって!」
「ハルに舞ちゃん!!」
「こんにちはっ!応援に来たよっ!!」


ハルはツナが宿題を頑張っていると聞きつけ気分転換になれば良いと舞にも手伝いを頼みこの催しを実行したのだ。しかし、ツナには逆効果となってしまいハルはシュンと悲しそうに視線を落としながら持参したこたつや鍋などを片付けた。


「モテんなー、ツナ。どうやって知り合ったんだよ。あんな名門の子と」
「え?名門?」


山本の台詞にツナは首を傾げる。


「あれ緑中の制服だろ?このへんじゃ超難関のエリート女子中の」
「へ〜〜。あのアホ女がねぇ」
「ハル頭いいんだーー」
「この問7も楽勝だったりしてな」


その言葉に獄寺とツナの目の色が変わった。この問題を自力で解くことは、もはや無理だ。だったら他の人から解いてもらうしか他ない。ツナは勢いよく立ち上がりハルに助けを求めた。


「問7ですねー。これ習いました。わかると思います」
「「「おおーーっ」」」
「ハルちゃんすごいっ!」


一つの机を取り囲むようにツナ達は座るが人数が多いため舞はベッドの上に腰を下ろす。そこからハルが問題を解く姿を両手で頬杖をつきながら眺めていた。



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