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三浦ハル


夏の香りがする朝。蝉の合唱がますます暑さを倍増させる。そんな暑さに項垂れるように歩いているツナと塀の上をトボトボ歩くリボーン。そして、舞の3人で学校までの道のりを辿っていた。


「暑いね〜」
「本当だよ〜。夏なんて暑いばっかりでいいことなんて無いし」
「暑さくらいでバテんじゃねぇぞ。ダメツナめ」


リボーンの辛辣な言葉を舞は笑って聞き流しているとツナ達の目の前にポニーテールをした女の子が此方に歩いて来ているのに気づいた。ツナもその女子の存在に気づき歩む足を止める。彼女は何故かリボーンを見ると顔を赤らめ、ゆっくりと口を開いた。


「私…三浦ハルと申します」
「知ってるぞ。ここんちの奴だろ?」
「(私のこと知ってたんだーっ)」


ハルと申す女子はリボーンの言葉に歓喜しながら、お友達になってくれませんか?とリボーンに告げた。彼はハルの言葉に頷き肯定の意を表した。するとハルは乱舞するようにガッツポーズをした。


「あの…さっそくなんですが。…こう…ギュ…っってさせてもらえませんか?」
「(何だソレ…)」
「(可愛い子だな…)」


ツナは変わった子だな…と珍獣でも見るような視線をハルに向け、舞はハルの不審な行動は気にも留めずに彼女に対するありのままの感情を心の中で吐き出した。


「気安くさわるな」
「えっ」


リボーンにあっさりと拒絶されガーンと大袈裟にショックを受けるハル。


「俺は殺し屋だからな」


リボーンが本当の事を言うとハルは口をキュッと結び不安気な視線を這わせた。


「こらリボーン。白昼堂々そーゆーことを…」


一般人のハルに“殺し屋”だと言ってしまったリボーンに焦りツナは彼を止めようと前に出る。しかし突如、パァンッと言う高い音が響き渡った。


「「え」」


あまりに突拍子もないことにツナと舞の声が合わさる。ハルが何故かツナの頬に思い切り平手打ちをかましたのだ。


「最っ低です!何てこと教えてるんですか!?」
「はあ!!?」
「赤ちゃんは真っ白なハートを持った天使なんですよ!」


ハルは唇を噛み締めながら怒りを露わにしツナの胸ぐらを掴んで揺らし始めた。


「あなたはそんないたいけな純情を腐ったハートでデストロイですか!?」
「(何言ってんだこの子ーーっ)」


泣きながら意味不明に怒りを叫ぶハルにツナはショックを受けながら弁論をした。


「違うって…何か誤解してるよ!」
「何が違うのよ!」
「俺はリボーンに殺しなんて教えてない!!」


しかし、そんなツナの言葉も暴走気味なハルには通じない。うそつきです!…と全否定した。


「あなたリボーンちゃんのお兄ちゃんでしょ?よく一緒にいるの見てるんだから!」
「兄弟じゃないんだって!」
「じゃあ、なおさら最悪じゃないですか!他人の赤ちゃんをデビル化なんてーー!!」
「(話通じねーーっ)」


ハルはツナに詰め寄る様に自分の顔をずいっと近づき感情を高ぶらせ、ツナはハルの顔が近いことに頬を染め体温を上昇させた。


「いいですか?貴方は、もーリボーンちゃんに会っちゃダメですよ!悪影響です!」
「(だから顔近いよ!)」
「ごめんね。その辺で許してもらえるかな?」
「はひ?」


段々と2人の距離が無くなる中、間に割って入りツナの前に立つ舞。ハルは初めて彼女の存在に気づき目を丸くするが彼女が目を細めて微笑む姿を双眸でとらえるとその瞳をキラキラと輝かせた。


「はひーーっ。とってもプリティエンジェルな女の子です!!ハル是非お友達になって欲しいです!!お名前はなんて言うんですか?」
「あたしは、星野舞。よろしくね、ハルちゃん」
「ほえーっ。舞ちゃんですか!こちらこそ、よろしくです!!」


なんか仲良くなってるよ!と、ツナは仰天をしながら楽しそうに話す舞達を見ていた。そして、チラリと舞だけを視点に留める。


「(ビアンキの時もそうだったけど…舞ちゃんって誰とでもすぐに仲良くなれちゃうよな)」


それが彼女の人柄で才能なのだ。あの優しい眼差しで微笑まれたら誰でも彼女に目を奪われすぐさまに心を開いてしまうだろう。ツナはそんな彼女が自分の友達であることを誇らしく思った。



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