×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
ポイズンクッキング2


「「あ」」

晴れた休みの日。獄寺と舞がバッタリ道で遭遇し同時に声を洩らした。獄寺は舞の顔を見るなり嫌そうにそっぽを向き舌打ちをした。


「なんでお前がこんなとこにいんだよ」
「あたしはツナ君の所に遊びに行こうと思って。獄寺はー?」
「俺はな、10代目にのお家にこのスイカ届けに行くんだよ」


なんたって10代目の右腕だからな…!と獄寺は威張りながら小さな舞を見下ろしたが、舞はそんな獄寺に後ろで腕を組みながら近づき上目遣いで見つめながら口元に弧を描いた。


「なーんだ。獄寺もあたしと一緒なんじゃん。考えてること同じだねっ」
「なっ、お前と一緒にすんな!」
「まぁまぁ。目的地は同じはわけだし、一緒に行こうっ!」
「あ、おいっ!!…てめぇ!離しやがれっ…!」


ほらほら行くよっと舞はスッと獄寺の腕を掴み嫌がる彼を無視をして引っ張るように走り出した。



▽ ▲ ▽



「チッ、もう離せっ!チビ女!」
「あ」


共に走った舞達はツナの家の前まで辿り着いた。家に着いた途端、獄寺は掴まれていた腕を振り払い舞を一蹴しポケットに手を突っ込んだ。まるで、舞にもう触れられやしないように。そんな獄寺をチラリと見た舞は物憂げに少しだけ瞳を揺らした。


「10代目〜〜っ!」
「ツナ君〜っ!!」


2人が敬愛するボスの名を呼び獄寺がインターホンを押すと、どこか焦り帯びた様な表情を浮かべているツナが扉を開けた。


「ご…獄寺君に舞ちゃん。どーしたの?」
「このスイカ一緒にどーすか。めちゃくちゃ甘いらしいんスよ!」
「…!あたしは遊びに来たんだよ〜っ」
「す…すごく嬉しいんだけど今ちょっと色々取り込んでて…(う…うそじゃないよな)」


ツナの目の前だと普段は見せないような笑顔を向ける獄寺の忠犬ぶりに舞は本当に同一人物かと目をキョトンとさせた。そして、ツナが取り込んでいると困ったように眉を下げると獄寺は目つきを変えギロッと眉間に皺を寄せる。


「トラブルっスね、なんなら俺がカタをつけますよ」
「え!?」
「トラブルだったら、あたしも手伝う!」
「(トラブルと言えばトラブルだけど…。あ、でも確かに獄寺君と舞ちゃんならビアンキを追い出してくれるかもーー…)」


ツナはリボーンの愛人であるビアンキの事で悩んでおり、獄寺達であればその問題を解決できるかもしれないと考え今の状況を説明しようと口を開いた。が、話し出した瞬間に獄寺がツナへのお土産として持って来たスイカを落としてしまったのだ。


「あーーー。スイカーーっ」
「勿体無い…」


スイカは落とした衝撃により割れ、ツナは声を上げ舞は勿体無いとシュンとさせた。しかし獄寺はスイカが割れたことなどお構いなく顔をみるみる内に青ざめさせ、その異常さに舞は、どうしたものかと獄寺の顔を覗き込む。


「…獄寺…?」
「アネキ!!!」
「え」


獄寺が“アネキ”と呟いた視線の先にはビアンキとリボーンが立っていてビアンキも又、獄寺のことを“隼人”と親密そうに下の名前で呼んだ。


「え?アネキって?ん?」
「獄寺のお姉さんなの…?」


未だ状況が掴めていないツナと舞はビアンキと獄寺を交互に見合わせ頭に疑問符を浮かべた。獄寺の異常な行動は続き、何故か益々顔色悪くさせ両手で不穏な音を鳴らす腹部を押さえ膝をついた。そして、クルッと身体を反転させ「失礼します!」と叫びものすごい勢いで走り去って行った。


「ちょっ…獄寺君!!?」
「え、どうしたの?獄寺」


いつもあーなのよ、とビアンキは今回の獄寺の様子に呆れながら息を吐きツナはやっと掴めてきた真相に頭をかかえ混乱した。


「アネキ…アネ…?ってことはつまり…え"ーーーっ。獄寺君とビアンキって兄弟なのー〜〜!!?」
「そーだぞ。腹違いのな」
「…って、あたしはさっぱり訳わかんないだけど」


驚愕の事実にツナは目を丸くし、舞に至ってはビアンキに面識が無いのでひとりだけ置いてかれているような疎外感を抱いた。



Back