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僕の瞳、君で溢れ


太陽の陽射しが窓から漏れる応接室。そこのソファに彼は座って書類に目を通していた。右手で、ある指輪を弄りながら。


「ちょ、ちょっとディーノ!ノック!!」
「…!」


聞き覚えのある声と同時にガラリと扉が開かれる。そこに視線をやれば見たことのない金髪の外国人と黒髪で眼鏡を掛けた男。そして舞の三人が佇んでいた。


「お、おはようございます。雲雀先輩」
「ねぇ。授業はとっくに始まってるんだけど」
「……うっ」


引攣らせた笑みを浮かべながら挨拶をすれば当然の如く授業について突っ込まれた。授業を受ける気分ではないんです!…なんて口が裂けても言えない舞は思わず声を詰まらせる。すると、いきなりディーノが舞の肩に手を回して口を開いた。


「お前が雲雀恭弥だな」
「……誰……?」


雲雀はムッと不機嫌のような面をしながらディーノを睨んだ。その視線の先には引き寄せられている舞がいて彼の気に入らない原因だった。


「俺はツナと舞の兄貴分でリボーンの知人だ。雲の刻印のついた指輪の話がしたい」
「ふーん。赤ん坊の…じゃあ強いんだ」
「まあな」


雲雀は目の色を変え好戦的に笑みを溢した。強い人物と戦うことは雲雀にとって快楽なのだ。


「僕は指輪の話なんてどーでもいいよ。あなたを咬み殺せれば………あと、」
「ーーえっ」


ソファからスッと立ち上がると雲雀は舞の腕を引き、自身の身体へと寄せた。急に近くなった思わずうっとりしてしまうほど、綺麗な顔。ドキリと鳴る心臓の高鳴りは止められなかった。だが雲雀はそんな彼女に御構い無しにディーノに視線を這わせた。


「この子は僕の獲物だからね。勝手に手を出すことは許さないよ」
「ひ、雲雀先輩っ!」
「なるほどな。宣戦布告ってわけか」


受けて立つぜ、とディーノはニヤリと笑う。しかし雲雀はフイ…と視線を逸らして自分の傍で頬を紅潮させている舞を見てクスクスと笑みを溢した。


「真っ赤だね。まるで林檎みたいだ」
「……へ!?」


低く妖艶なその声が耳元で聞こえ、ゾクリと体が震える。そんな彼女の様子が愉快で堪らなかった。


「まぁ僕の方がリードってとこかな。あなたより十分、意識しているみたいだし」


チラリとディーノを見て勝ち誇ったように笑った。


「聞いてた通りマジで問題児だな。こりゃあ」
「で、どうするの?」
「いいだろう。肉弾戦は俺も好きだからな」


ディーノは鞭を。雲雀はトンファーを構えて戦闘態勢をとった。これが修行開始の合図。そんな彼らを間近で見ながら舞は火照る頬を抑えるのだった。


同時刻イタリア。


「スクアーロがそろそろ戻ります」
「これで完成しますね。ボンゴレリングが…」


暗い部屋には顔に傷を持つ男。そして、その背後に佇む数人はニヤリと笑っていた。全員が同じように指にはめたハーフボンゴレリングを光らせて。



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