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「エリシア、好きだよ」
「えっ、ダイゴさん…!?あの…っ」
「一生、僕のそばにいてくれ」
そのまま私とダイゴさんはベッドになだれ込み熱い夜を………
なーんてことなはく、普通に就寝準備を済ませて普通に別々のベッドに潜り込んで普通に寝た。
ちょっと寂しいなんて思ってない。絶対に。
* * *
「……ん、」
翌日、目を覚まして部屋の中を見回したが、ダイゴさんの姿が見えない。それどころか、物音ひとつ立たず静かだ。
首を傾げていると、ピカチュウが机の上から1枚の紙を持ってきてくれたため受け取る。
内容を読み、小さく肩を落とした。
『エリシアへ
おはよう。よく眠れたかな。
朝から早々にリーグ本部から呼び出しがあったから行ってくるよ。
エリシアが出発するまで傍にいられなくてごめんね。
朝食は机の上に準備しているから、レンジで温めて食べて。
ジム戦、頑張ってね。
それじゃあ、いってきます。
ダイゴ』
まぁ、チャンピオンだもんなぁ…。
早々家に帰って来れるはずがないのに、きっと昨日は無理して来てくれたんだろう。
少しの間だけでも一緒に過ごせたことを喜ぼう、うん。
そうは思っていても少し残念で、ため息をつきながら布団の上に紙を裏返して置けば、そこにまだメッセージが書かれていることに気づいた。
『追伸
机の上に、今のエリシアにとって必要なものを置いたよ。
エリシアにあげるから、ぜひ使ってほしい。』
「私にとって必要なもの?」
なんだろう。と首を傾げてベッドから出て机に近づけば、机上に置かれているものに釘付けになる。
「なんで………」
震える手でそれを持ちあげた瞬間、ひらりとメッセージカードが落ちたため拾って内容を確認すれば、私の顔に笑みが浮かんだ。
『リーグで会えることを、楽しみにしているよ』
「…ぜっっったいに勝つから」
彼に勝つことが、小さい頃からの夢だったのだ。
今更その目標を諦めるはずもない。
準備してくれていた朝食を食べて後片付けをし、身支度を整えて家を出る直前にピカチュウに向き直る。
「ピカチュウ、進化する?」
ダイゴさんが机の上に置いてくれていたもの、かみなりのいしをピカチュウに見せれば、彼は目を輝かせて頷き、私の手からかみなりのいしを受け取った。
そのまま進化が始まったため少し離れて様子を見守っていれば光はおさまり、ライチュウがこちらを見て微笑んでいた。
「おめでとう、ライチュウ。これからもよろしくね」
「ライライ!」
ライチュウに進化してもモンスターボールに戻るのは嫌なのか、そのまま玄関へ歩き出した彼に小さく笑い、私も歩き出した。
さて、さくっとトクサネジムのバッジを貰いに行こうか。
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