ダイゴさんとデート(?) 46/17
あの後、無事にマサト君のお姉ちゃんのハルカちゃん、一緒に旅をしているというサトシやタケシと合流し、ニャースたちロケット団をダイゴさんがボスゴドラにはかいこうせんを指示してどこかへ吹き飛ばせば、一件落着となった。
サトシやハルカちゃんたちが安心するなか、私は先程のはかいこうせんについてダイゴさんを叱る。
「もう!壊れやすい洞窟内で、しかも人に向けてはかいこうせんを指示するなんて…!!」
絶対やっちゃ駄目です!!!と怒れば、彼は苦笑して謝る。
「悪かったよ。ついカッとなってしまってね」
そう怒らないでくれと頭を撫でられ、まああの人たちもココドラを起こしちゃったしなと無理矢理自分を納得させ、これ以上は何も言わないことにした。
その後はダイゴさんが探していた闇の石も手に入り、サトシがダイゴさんを探していた目的の情報も伝えたため、私たちは一緒にムロタウンへ戻る。
もう少しでムロタウンに着くというところで、我慢できないというように、ハルカちゃんに両手をがしりと掴まれ、ファンだと告げられた。
「ミロカロスをメインパートナーにしてるエリシアさんですよね!?私、エリシアさんのミロカロスが、うつくしさ部門でノーマルランクを優勝したときから、ずっとファンなんです!エリシアさんを見て、コーディネーターを目指そうって思ったんです!」
感激だと言わんばかりに目を輝かせ、興奮気味に話す彼女に呆気にとられていたが、私の影響でコンテストに参加するようになったのはとても嬉しい。
それに、もう一つ別の理由で嬉しいところがあったのだ。
「私、そのうつくしさ部門のノーマルランクがコンテストデビューだったの。その頃から見てくれてるなんて、とても嬉しいわ」
あの時はカトレアが控室まで来てくれて衣装を貸してくれたし、化粧もヘアメイクも全てしてくれた。そのおかげでコンテストも優勝できた。
懐かしいと過去を振り返っていれば、ハルカちゃんは嬉しそうに頷いた。
サトシやタケシと話しながら前を歩いていたダイゴさんは、ハルカちゃんの反応を見て不思議そうに首を傾げた。
「エリシアって、そんなに凄かったのかい?」
その一言にハルカちゃんが喰いつき、いかに私が凄いかを早口で捲し立てた。
「いいですか!?まず、エリシアさんの専門はバトルであるにも関わらず、コンテストにも一切妥協することなく、真剣に向き合ってます!それにポケモンたちはみんな、満遍なくコンディションが整ってるんです!それだけでもすごいのに、エリシアさんは毎回のコンテストで、最後まで技の構成や魅せ方、ポケモンの体調にまで気を配ってるんです!そして何より、コンテストのメインパートナーであるミロカロスの技の美しさといったら……!あぁ……っ」
最後には目をハートにさせてうっとりとしているハルカちゃんに、私を含めたみんなが頬をひくつかせて一歩下がる。
「そ、そんなにハードルをあげられると、困っちゃうわね…」
でもそんなにミロカロスを気に入ってくれてるのであれば、少しぐらい彼女に見せてあげてもいいかな。
腕時計をちらりと見て、ダイゴさんに少し時間をもらっていいか尋ねれば快諾してもらい、ハルカちゃんに向き直る。
「せっかくだし、ミロカロス見ていく?」
「いいんですか!!?!」
あそこまで褒められてしまっては、逆に出さない方が彼女に対して失礼だろう。
ちょうど海もあるしとミロカロスをボールから出せば、ミロカロスは嬉しそうに一鳴きして泳ぐ。
「あああ夢にまで見たエリシアさんのミロカロスが目の前に……!」
目をハートにさせているハルカちゃんに苦笑していれば、ダイゴさんが"せっかくだからバトルしてみたらどうだ"と提案した。
…バトル、ですか?ここで?
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