ダイゴさんとデート(?) 3
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自分たちが落ちたであろう穴に再度落ちるとは。
流石に失笑を禁じ得ない。
ダイゴさんも、流石にと思ったのか苦笑していた。

「とにかく、探そうか」

また上へ上がってくる可能性もあるため、今度は穴の下へ降りずに周辺を歩き回ってみる。

暫く歩いていれば緑の服の少年とピカチュウ、それに人の言葉を喋るニャースと出会い、ダイゴさんたちがお互い自己紹介していくなか、私は後ろで1人衝撃を受ける。



いやちょっと待ってほしい。この少年もニャースも知ってるぞ。
あれだぞ。アニポケでいたぞ。
え、てことはこのピカチュウ、サトシのピカチュウなの?
え、もしかしてハルカとタケシもいるの?
え?この世界ってアニメの方なの?いやでもカントーにグリーンいたよ?
え??


表情には出さず1人困惑していれば、ダイゴさんが少年、もといマサト君たちに私を紹介した。

「彼女は、僕の婚約者のエリシアだ」

「よろしくお願いします」

流れでサーナイトを紹介し、マサト君から他の連れとはぐれてしまったことを聞けば、ダイゴさんと顔を見合わせて頷き合う。

「ココドラのこともあるし心配ね。私たちと一緒に、お姉ちゃんたちを探そっか」

不安そうなマサト君の手を引いて、前を歩くダイゴさんについて行く。
この際、アニポケとかゲームとか考えないようにしよう。

途中、ニャースに話しかけて、サーナイトが私に不満はないのか聞いてほしいとお願いすれば、意外にも快諾してくれた。

「ふむふむ……。…あぁ、それは大変だにゃあ。……そうか、なら安心だにゃ」

「……な、なんて?」

一通りニャースとサーナイトの会話が終わったタイミングで、恐る恐るニャースに尋ねれば、彼は私に教えてくれた。

「サーナイトはエリシアに対して、何の不満も無いらしいにゃ。挙げるとすれば、ダイゴに電話をかけるとき、ポケナビとにらめっこして毎回30分が余裕で過ぎるのは勘弁してほしいらしいにゃー」

「っ…!?」

前者はいい。私に不満が無いのであれば安心だ。
問題は後者だ。なぜ毎回ダイゴさんに電話をかけようとして躊躇っているのを知ってるのか。
ニャースの言葉を聞いて顔が一気に赤くなるのを感じると同時に、ダイゴさんが笑いながら私を見た。

「毎回30分もかけてたのかい?そんなに怖がらせてる?」

「ちっ、ちが…!すみません、あの、…恥ずかしくて、緊張してしまって…」

もう一度、すみませんと謝れば、ダイゴさんは私の頭を撫でる。

「エリシアの特別であれることは嬉しいよ。でも、毎回時間がかかるのであれば、もう一緒に住んだ方が効率的かもしれないね」

「…!?い、一緒に、ですか…!?」

1人で慌てていれば、再びダイゴさんは楽しそうに笑い声をあげ、この話を終わらせてくれた。

「この話はまた今度しようか。今はマサト君の連れを探さなきゃ」

「……はい」

「ありがとうございます、ダイゴさん!」

恥ずかしすぎて、穴があったら入りたいかも。

 

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