ダイゴさんとデート(?) 2
4/17

さてさて、ダイゴさんと石の洞窟へやって来ました。
ムロタウンへ着くとダイゴさんはポケモンセンターで部屋を借りて、洞窟を探索するときにいつも着ているらしい服に着替えた。

話を聞けば、彼はもう何度もこの洞窟へ入り浸っているらしい。
そういえば、彼がトレーナーとして旅を始めた頃に、ムロタウンでジムバッジをもらった後、暫く洞窟探検してたんだっけ。

「この洞窟はアイアントの巣のように、入口は1つだけど、いくつもの道に分かれていてね。はぐれたら迷子になるから、しっかりついて来るんだよ」

「わかりました」

彼の注意に頷き、離れないように彼の後ろを歩く。
彼は珍しく手持ちのポケモンをエアームドとメタグロスの他に、ボスゴドラ、ココドラの2匹のみとしているらしく、それに首を傾げる。

「ダイゴさん、いつもと手持ち変えたんですね?」

「あぁ。ボスゴドラとココドラとは、何度もこの洞窟に一緒に来ていてね。洞窟の中を覚えているから安心なんだ」

彼の説明に納得し、ダイゴさんと外へ出しているココドラ、それに私が外へ出しているサーナイトとお喋りをしながら、彼が探しているという目的の石を探す。





2〜3時間ほど歩いただろうか。
時々ダイゴさんが、持っているツルハシで洞窟の壁を削りながら休憩したり歩き回ったりしていれば、流石に体力も無くなってきたため、彼が壁を削っているのを座りながら見る。

「ここも無さそうだな…」

「ちなみに、何の石を探しているんですか?」

そういえば目的の石を聞いてなかったなと思って尋ねれば、どうやら闇の石が欲しいのだという。

「ポケモンを進化させるのに必要な石だよ。エリシアがロコンからキュウコンへ進化させるときに使った石のようにね」

なるほどあの石シリーズは珍しい物らしい。
たしかにお店で売ってるのはあまり見たことがないかも。

ダイゴさんは、持っていたツルハシを置いて、少し休憩しようとバッグも下ろした。
バッグからポケモンフードを取り出し、ココドラにポケモンフーズを食べさせる。
私もダイゴさんに倣ってサーナイトにご飯をあげていれば、突然大きな音が響いてきて、何事だと慌てて立ち上がる。

「なんだ…?」

「何か、ポケモンの群れでも動いてるんでしょうか」

物音が響いてきた方向を見ながら言えば再び大きな音が響いてきたため、ダイゴさんと顔を見合わせて荷物を持って走り出す。

「何か、様子がおかしいな」

「いつもは静かなんですか?」

「あぁ。こんなに賑やかな洞窟ではないんだけど…」

ダイゴさんの後ろを離れないように走っていれば、少し広まったところに出て、その中央には大きな穴があいていた。
穴のそばには何故か虫取り網。

ダイゴさんが網を手に取って首を傾げれば、ココドラが穴の下に視線を向けてダイゴさんに知らせる。

「下で何か起きたみたいだな…。エリシア、君はここで…「私も行きます!」…けど、」

ダイゴさんは私の顔を見てここに残るように言ったが、私も何が起こっているのか気になるため引き下がらないぞと首を横に振れば、彼は眉を下げてあからさまに困った顔をした。

「私の手持ちはいつもどおりだし、何かあれば必ずダイゴさんの指示に従います」

お願いします。と言い切れば彼はため息をつき、私の頭に手を置いた。

「わかったよ。だけど、僕の側は離れないように」

「わかりました」

彼の言葉に頷けば、彼はココドラと穴の下へと降りていった。
降りるといっても、穴へ跳んで下に落ちて行ったため、私はどうやって下へ降りようか考えていれば、サーナイトが私を抱き抱え、サイコキネシスで下へと下ろしてくれた。

「ありがとう、サーナイト。助かったよ」

頭を撫でれば彼女は笑顔になり、歩き始めたダイゴさんについていく。

暫く歩いていれば、辺り一面にいくつもの穴があいている箇所があり、ダイゴさんが息を飲んだ。



「まさか、ココドラたちを起こしたのか…?!」

その言葉に、ココドラを起こした人たちに同情する。

「あー…。やってしまいましたね…」

「ココドラたちから逃げるには上へ上がるしかない。急ごう!」

「はい」

走り出すダイゴさんに続き走っていれば、先の方で再び音が響く。
急いで向かえば、そこは先ほど私たちが下へ降りた穴で、何故か先ほどよりも穴の面積が広がっていた。

「……え、もしかしてまた落ちたの?」

 

  back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -