ダイゴさんとデート(?) 8
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「結局、エリシアが作ってくれたお弁当、食べてないままだね。今からトクサネシティに行って、広場でレジャーシートでも広げながら食べようか」

「あ、賛成です。楽しそう」

「そうと決まれば、エアームド、すまない。大急ぎでトクサネシティだ」

「ムドっ!」

ダイゴさんの言葉を聞いたエアームドはまかせろと深く頷き、速度をあげてトクサネシティ方向へと旋回し、そのまま真っ直ぐ進む。

「それにしても、エリシアはコンテストでも凄かったんだね。今度から意識してみてみるよ」

「そこまで凄くないんですよ。私は自分でもバトルの方にセンスが傾いてると思っているので、そう遠くない未来でハルカちゃんに追い越されるでしょうね」

将来が楽しみな子だと言えば、ダイゴさんは楽しそうに笑った。

「エリシアがそこまで褒めるなんて珍しいね」

「そうですか?…褒めるのが珍しいというより、普通のトレーナーと、普通に接する機会が無いからじゃないですかね」

「それはたしかに、ありそうだね」

空の旅を楽しみながらダイゴさんと話を続け、トクサネシティに着けば広場にレジャーシートを広げてお弁当を食べる。
ダイゴさんが嬉しそうに美味しいと連呼しながら食べてくれたから、また作ってもいいかな。なんて思う。

ご飯を食べてゆっくりしていると、なんだか身体がそわそわしだした。
きっとこれは、ムロタウンでハルカちゃんと軽いバトルをしたからだろうなと苦笑し、横になっているダイゴさんを人差し指でちょいちょいとつつく。

「ダイゴさんダイゴさん、」

「どうかした?」

「バトル、しませんか?」

"負けた方は、勝った方のお願いを1つ聞く"なんてどつでしょう?

バトルに乗り気になってもらえるように罰ゲームを出せば、ダイゴさんは楽しそうに笑って頷いてくれた。

「面白そうだね。いいよ、やろうか」

「ありがとうございます。ハルカちゃんと軽いバトルをしたら、なんだか却って落ち着かなくて」

広場でダイゴさんとポケモンバトルをしていると、いつの間にかギャラリーが集まり、決着がつく頃には広場は大盛り上がりだった。

結果はもちろん、


「また負けた……」


「僕の勝ちだね」


お願いは何にしようかな。なんて楽しそうに笑っているダイゴさんだ。


これから言われるであろう彼の"お願い"に、若干胃を痛めながら待つことにした。

やがて思いついたのか、笑顔で内容を言い放った彼に、私は顔を青くさせた。

その内容は、


…………やっぱり、秘密にしておこう。





「罰ゲームなんて出さなければよかった…」


「今更言っても後の祭り、だね。楽しみにしているよ」


「はあぁぁぁ……」


いろんな意味で、彼には適いそうにない。

 

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