ダイゴさんとデート(?) 7
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「やっぱり、エリシアさんには敵いませんね。でも、すごく勉強になりました!」

悔しそうに、でも次には楽しそうにお礼を言った彼女に私もお礼を言い、ポケナビの番号を渡す。

「これ、私のポケナビの番号よ。私で良ければ、いつでもバトルの相手になるから連絡して」

「い、いいんですか!?」

両手を震わせながらも番号を書いた紙を受け取ったハルカちゃんに、もうコンテストパスは誰かからもらったのかと尋ねれば、まだ貰ってないとのこと。

「誰かから貰えればいいんですけど、なかなか認めてもらえなくて、まだ貰えてないんです」

「それなら、これあげるわ」

ちょうど良いと、先日コンテスト本部から私宛に送られてきた、私専用のデザインで作られたコンテストパスを彼女に差し出せば、パスと私を何度も交互に見る。

「そんな、エリシアさんからコンテストパスをいただけるなんて…!!い、いいんでしょうか…!」

「いいのよ。私、コンテスト専門ってわけでもないのに、カトレアが本部に私専用のデザインで作るように推薦したらしくてね。本部から何枚か送られてきたんだけど、渡す人もいないから持て余してたの」

それに、さっきのバトルでハルカちゃんは私以上にコンテストのセンスがあることを実感したから、そう遠くない未来で彼女に抜かれるだろう。

再度彼女にコンテストパスを差し出せば、ハルカちゃんは何故か泣きそうな顔をしながら両手でパスを受け取った。

「おめでとう。これであなたも、ポケモンコーディネーターの第一歩目を歩み出したわね」

「あ、ありがとうございますううう」

そのまま泣き始めたハルカちゃんに慌てながらも、なんとか泣き止んでもらい、ムロタウンのポケモンセンター前でサトシたちと別れる。

「それじゃあダイゴさん、お元気で!」

「今日は本当に、お世話になりました」

「お仕事頑張ってください!」

「こちらこそ、今日は有意義な1日だったよ。ジム挑戦、頑張ってね」

男の子たちが別れの挨拶をしている横で、私もハルカちゃんと向き合う。

「エリシアさん、今日は本当にありがとうございました!たくさん勉強させてもらいましたし、ポケナビの番号やコンテストパスもいただけて、本当に嬉しいです!!」

彼女の私の評価の高さは何故なんだと不思議に思いながらも、好意的に見られるのは嬉しいと顔が緩む。

「こちらこそ、良い刺激をもらったわ。ありがとう。本当に、いつでも連絡してくれていいからね。今日はメインパートナーのミロカロスじゃなかったけど、いつかハルカちゃんが勝ち上がってきたときには、あのミロカロスで戦いましょうね」

ハルカちゃんと握手を交わし、彼女たちと手を振って別れる。
ダイゴさんはいつものスーツに着替えているからとエアームドを出し、前に私を乗せてから自分も乗り込み、大空へと飛び立った。

 

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