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呪術廻戦0 1




十一月某日、生徒数も少ない私達の学校に転校生がやってくる。

「聞いたか?今日来る転校生、同級生四人をロッカーに詰めたんだと」
「ぶっそうー」
「殺したの?」
「ツナマヨ」

その転入生は来る前から噂になっており

「いや重症らしい」
「ふぅん…。ま、生意気ならシメるまでよ」
「そんな問題起こしてのうのうと此処に来るんだから生意気確定だよ」
「おかか」

私達の印象はあまりよろしくなかった。

「転校生を紹介しやす!!テンション上げてみんな!!」

なので教室で五条先生がテンション上げてても私達のテンションは低めなわけで、誰も転入生を歓迎していのであるのは沈黙だけだ。

「上げてよ」
「随分尖った奴らしいじゃん。そんな奴の為に空気作りなんてごめんだね」
「しゃけ」

私達の中でも温厚な部類に入る棘君ですらこの反応。パンダ君も黙ってるが皆と同じ考えで、私は欠伸をしていると

「入っといでー!!」

五条先生の言葉で噂の転入生が入ってくるのと同時に私の眠気は吹っ飛んだ。そして次に襲ってくる身の毛もよだつ感覚と呪霊の気配。咄嗟に転入生が自己紹介を終わる前に私達は攻撃の体制に入る。

「おい」

転入生自身が問題児だと思ったら

「オマエ呪われてるぞ」

とんでもないものを連れてやって来た。
「ここは呪いを学ぶ場だ。呪われてるヤツがくる所じゃねーよ」
「何食わぬ顔でくるなんて君凄い図太いねー」

私達が通う学校は人の負の感情で生まれた呪いを祓い、学ぶ所。都立呪術高等専門学校だ。

五条先生がこの学校の事を転入生に説明していが今更?言うの遅くない?私達が視線で言うと先生は手を上げて軽く謝った。

「あっ、早く離れた方がいいよ」

何かを思い出したかのように先生が言うが一体どういうことだ。私達が疑問に思っているとすぐに理由がわかった。黒板から両腕が現れ真希ちゃんの呪具を躊躇いもなく掴む。

「ゆう"だを"ををを」
「待って!!里香ちゃん!!」

教室に響き渡る地を這うような声。転入生は焦ったように女の子を名前を呼ぶが里香ちゃんってこの呪霊の名前?そんな可愛い名前を付けるようなものじゃないでしょアレ。
呪霊の手が私達に向かって襲ってくる。


転入生こと乙骨憂太君、彼には6年前幼馴染がいた。名前は折本里香ちゃん
いつもと同じで公園で遊んでいると折本里香ちゃんから婚約指輪を貰い二人は結婚の約束をする。しかしそれは叶う事はなかった。折本里香ちゃんは交通事故で亡くなってしまった。その場に居合わせた乙骨憂太君が呆然としてその現場を見ていると、死体から姿が変わり呪霊となった折本里香ちゃんが現れた。

「ってな感じで彼のことがだーい好きな里香ちゃんに呪われている乙骨憂太君でーす。皆よろしくー!!」

転入生がここに来ることになった経緯を五条先生が教えてくれた。でも

「憂太に攻撃すると里香の呪いが発動したりしなかったり。何にせよ皆気をつけてねー!!」

言うのが遅い。里香ちゃんに手も足も出ずに私達はコテンパンにやられてしまった。頭にたんこぶできたらどうしよう。

「コイツら反抗期だから僕がちゃちゃっと紹介するね」

私達がこうなってるのは先生が原因だけどね。

「呪具使い禪院真希。呪いを払える特別な呪具を扱うよ」
「……」


「呪言師狗巻棘。おにぎりの具しか語彙がないから会話頑張って」
「こんぶ」


「呪具と術式使い如月琴葉。数珠を操って呪いを祓うから」
「どうもー」



「パンダ」
「パンダだ。よろしくな」


先生の説明に転入生は疑問が残っているようでもやもやした顔をしている。しかしそんな事を先生は気にせずに午後の授業の説明をした。午後はチームで実習をする。

「棘、パンダ、琴葉チーム」

パンダ君に頑張ろうと言われ私と棘君は頷く。でもそうなると…

「真希、憂太チーム」

後に言われた名前に真希ちゃんは嫌そうに「げっ」と言った。転入生が真希ちゃんによろしくと言うが

「オマエ、イジメられてたろ」

真希ちゃんの厳しいお言葉が待っていた。あっ、転入生動きが止まった。

「呪いのせいか?“善人です”ってセルフプロデュースが顔にでてるぞ。気持ち悪ィ。なんで守られてるくせに被害者ヅラしてんだよ」

真希ちゃんの言葉は止まらず、言い続ける。うーむこれは…

「ずっと受け身で生きてきたんだろ。なんの目的もなくやってるほど呪術高専は甘くねぇぞ」

転入生の顔色が悪くなって来たので間に入ろう。それは私以外も思ったようで

「真希、それくらいにしろ!!」
「こらー、イジメない!また怒って里香ちゃん出て来ちゃうよ?」
「おかか!」
「ほらー!棘君も怒ってるよ」

私達が止めに入ると真希ちゃんも言うのを止めるが納得はしてないよう。あの二人が実習のチームで大丈夫かな。

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