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バーナビーさんへのサプライズに強制参加することになった私は今カリーナちゃんと一緒に私達がバーナビーさんへ贈るプレゼントを何にするか探しにお店に来てる。

「まかせてなんて言ったものの何を渡そう」

プレゼントとは相手が喜びそうな物を渡すのが一般的。
だが私はバーナビーさんの喜びそうな物は全く見当がつかない。それについてはカリーナちゃんも同じみたいだ。

「沙耶は何か良い案ある?」
「そんなことを言われても…」

大体私は乗り気ではなかったのだ。先程も言ったが強制的にこうなってしまったわけで…
それなら断ればよかったじゃないかと言う人もいるだろう。


あのノリノリの雰囲気の中

『すみません、私は参加しません』

なんて言えるわけないじゃない!
そんな空気を読めないことできるわけないじゃない!


「んー、私の予想だけどバーナビーさんって無頓着そう。」
「そう言われるとそんな感じもするわね」
「あとバーナビーさんのファンの人達がプレゼント贈るんじゃないかな。無難な物を選んだらかぶっちゃいそう。もしかしたら高価な物をプレゼントする人もいたりして」
「いくらファンだからって、そこまでする人なんている?」
「絶対いる。バーナビーさんってもうお前アイドルだろ。って位女性に人気なんだから。絶対、熱心なファンはプレゼントを贈ってくるって。全くこれだからイケメンは」


とりあえず私の予想を言う。そしてカリーナちゃんの方を見ると意味ありげにニヤニヤしてる。
私へんなこと言ったかな?

「えっ、どうしたの?」
「沙耶、ハンサムがモテることに嫉妬してるんじゃないの?」
「はっ!?」

カリーナちゃんの言葉に思わず声を出してしまう。私の声は予想以上に大きかったらしく、近くにいた人がちょっと迷惑そうな顔をしてた。大声出してすみませんでした。

それより一体何を言い出すんだこの子は!

「ハンサムのこと気になってるんでしょ」
「全く以って違うよ!ってか何それ!?」
「ファイヤーエンブレムがそう言ってたけど」
「やはりあいつか!」

またあの人はそんなことを言って!
このままだとバーナビーさんの耳にも入ってしまうんじゃないだろうか。そしたら気まずいなんてもんじゃないぞ!とにかく今はカリーナちゃんに誤解だと説明しなくては

「違うの?だったら沙耶はどう思ってるのよ」

「皆と同じ仕事仲間だと思ってるつもりだけど」
「でもカッコイイとは思ってるんでしょ?さっきもイケメンって言ってたし」
「それはね…」

説明するもののカリーナちゃんは次々質問をしてくる。ちゃんと答えていけば良いのかもしれないがここはお店の中。人目もあるしこのまま立って話しを進めるのも気が引ける。
カリーナちゃんは気にならないのだろうか?
気にならないとしたら高校生の恋に対する興味って凄いや。
…なんて感心してる場合じゃないぞ。何とかし話題を変えなくては

「そういうカリーナちゃんはどうなの?」
「私?」
「最近態度が優しくなったし仲良しだよね。虎徹さんと」

自分で話題をふっといて何だがこれはないなと後悔する。
確かにカリーナちゃんは最近虎徹さんへの態度が優しくなったとは思うが、今の会話の流れで虎徹さんを気があるんでしょう?なんて流れにするには無理がある。
会話のチョイスを間違えてしまったな。

うん

そう思いながらカリーナちゃんの方を見ると先程まで質問しまくってた口を閉ざし真顔になってた。

やっぱり質問の内容にちょっと怒ってるのかな?と思ったら顔がほのかに赤い

あれっ?

「何バカなこと言ってんの!そうだ、こんな話ししてないでプレゼント決めなくちゃ」

私の質問に答えずカリーナちゃんは早歩きで進ん行ってしまった。
あの表情は怒ってるっていうよりは照れてるって感じだった様な……
まさかね。多分私の見間違いだろう。

だって…まさか、ねぇ?




その後も色々と商品を見たのだが、これだ!という物が中々見つからない。
本当にどうしたものかと悩んでたらカリーナちゃんがある物を持ってきた。

「これなんてどう?」

もうこれしかないだろう!と言わんばかりの笑顔をするカリーナちゃんを見てから手にしてる物を見る。
そこにあったのは可愛らしい大きめの兎のぬいぐるみ

「…これにするつもり?」

余りにバーナビーさんと掛け離れた様に思われるそのぬいぐるみに私は思わず聞き返す。

「もうハンサムが欲しい物なんて私達が考えても分からないんだから、こうなったらウケ狙いよ」

そう答えるカリーナちゃん。確かにバーナビーさんは虎徹さんにバニーと呼ばれたりしてるけど、まさかそれをかけてのこれを選ぶなんて

でも正直に言ってみると、このぬいぐるみを渡しても喜びそうにないな。まあ、カリーナちゃんもウケ狙いと言ってるし。
でもこれを渡すには不安を感じる。
が、

「うん、それで良いんじゃないかな」

あえて私はこれをプレゼントにしようと思う。
べ別に、バーナビーさんに何を渡したらいいか考えるのが疲れたとかそんなわけじゃないんだからね!

「じゃあこれレジに持ってくわね」

私のOKも出たのでカリーナちゃんはぬいぐるみをレジへと持って行った。

もう一度あのぬいぐるみを持ってるバーナビーさんの姿を思い浮かべてみる。

うんやっぱり似合わないな。


見て見ぬフリの

title:コランダム


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