※鬼ヘタ(三次創作)の二次?創作 ※暴力・死ネタ 苦手な方はバックリターン 冷たいコンクリートに叩きつけられた瞬間、内臓に直接鈍器をぶつけられた様な形容し難い痛みに襲われる。 叩きつけられたと同時に、食道を通って上昇して来る血を灰色のコンクリートに吐き出した。 鉄の味が広がる口内には気に止めず、床の灰色よりも白くそれでいて何処か彩度が低く鈍い灰色を持つ“バケモノ”を視界にいれた。 顔面に足だけを生やしたもの、鋭い突起が背中に生えているもの、液体に近く全体に幾つも目があるもの、天井に届く程の巨漢なもの。 どれも普通の生き物では有り得ない形状でそれぞれ姿形は違うが、唯一全て同じの顔を此方に向けている。 「ザクセン!!」 鉄格子を境に別れた向こうの空間から愛しいイタリアちゃんの声が聞こえて、思わず声のする方を向くと今にも泣き出しそうな程顔を歪めていた。 嗚呼、ごめんね、私が無力なばかりにキミにそんな顔させちゃって。 「姉さんこの鉄格子を開けるんだ!」 「ザンっ、変な意地張ってんじゃねぇぞ!! このままじゃお前…」 弟達が鉄格子を掴み激しい音をたてながら、物凄い剣幕で鼓膜が破れそうな位に叫ぶ。 その横では主要国達がどうにかこの隔てるモノを取り払おうと奮闘している。 だけど無駄だ、それは鍵が無ければ開かないし、その鍵は私が持っている。 残念だけど私は助からない。 技はどれも効かない、骨も折れている箇所がある、視界も靄が掛かっているみたく非常に悪い、何よりもう闘う力は愚か立つ力すら残っていない。 『皆ごめん、後は頼んだ』 口元が小刻みに震え上手く笑えているか分からない、でも最後は笑って終えたいが故に無理矢理口角を上げる、その際に切れた口の端の傷みなんて今の私には気にならなかった。 突如腹が潰されそうな程の強い圧迫感を感じ、浮遊感が訪れた。 天井ギリギリまで高く持ち上げられ、胃から逆流しそうになる嘔吐物を堪えながら下を向いた。 其処には口をこれでもかと大きく開いた“バケモノ”がいて、口内は深い底が見えない暗闇の様にも思えた。 食われる、 奴に骨を砕かれ内臓を潰され只の肉塊になって飲み込まれるのだ。 皆の声が何処か遠くから聞こえて、それはもう死ぬ直前だからからなのかそれとも耳もやられてしまったのか何て判断はどうでも良くなっていた。 『おい、バケモノ』 どうせ死ぬなら最後まで強がりな私らしく散って、ついでに名言でも残してやろう。 『昔は列強と肩を並べる程強かった私を食うんだ、よーく噛んで味わいやがれ』 (ザクセン 離脱) 2012/01/15 23:43 |