春のマットが花粉症なのは、いささか早計すぎる設定な気もする。それはそれとして美味しくいただくタイプですが。
春のマットは一年の中で一番ドライだといいなぁと思います。
春のみんながわくわくしてる感じに馴染まないのです。2月のお誕生日を越して、新しい季節が始まっていく時期だからこそ、「置いていかれている感覚」や「周囲との違和感」が本人にとって浮き彫りになって感じる季節かな、なんて。
マットは1年中ドライなので、大きな変化はこれといってないのですが、ふわっといつもよりドライ。ふわっとほんのり邪念に囚われていて、未熟さや不安定さが垣間見えても良い…**
ニアメロマットとLの圧倒的な差は、不安定さがあるか否かだと思っています。
だからニアメロマットには不安定な瞬間を垣間見る気がしますし、一方でLの偉大さを実感したくもある。
秋の話をしたところですがやりかけ春×シリーズ。
春のメロは割と穏やかだと思います。
冬季の方がピリピリ緊張していて、春になると気候の影響をほどよく受け取って少し朗らかになってくれるといいなと思います。
マットやヒロインが花粉症で、それを気遣っている柔らかモードな精神状態を推奨したい。
症状の主に対して「ああいう風になったらつらいだろうな」みたいに考えられるところがあると、メロの人間らしさが際立って良いと思う。
Lやニアも「へーああなるのは嫌だな」くらいの感覚はあるのですが、「ティッシュを沢山使うから鼻下が痛そう」みたいな細やかな部分まで気がつけるのはメロの専売特許かな、と思ったりします。
一方で「いちいち人の痛みにまで気を配ってられるか」とドライにあしらわれるのもアリな気もする。
けど気にかけメロの方が想像としては優位です。
どっちだろうなぁ。
ほんのりピンクほっぺのニア
花粉症発症の場合は不機嫌MAX
あまりの不快感に自暴自棄になって鼻をちーんってやってごらん?とティッシュを近づけたところあっさりかまさせてくれるとか。
ぽかぽか暖かいのでうっかりうたた寝してくれるのも良い。
「春眠暁を…」って言いかけてる時、春に寝る度に使われるその言葉に飽き飽きして「そういうのいいです」とあっさりシャットアウトされるのもまた風流…。
桜餅をあげる葉っぱを渡される。
食べさせて欲しいと頼まれて指まで持ってかれる。
お花見で桜の花びらを1枚摘む指先
黒髪にほんのり反射する薄ピンク
目に桜が映って「キラキラしててアイドルみたい」って笑うと「流河旱樹です」ってセリフだけ。目は無の状態で言ってくれる。
花粉症っぽい微妙な症状が出て鼻がほんのり赤くなるL
マスクだけは絶対つけたがらない
Lが使わないのでワタリにマスクを渡す→ワタリ「おや、どうもありがとうございます」→L自分はマスク使わないのにむすっとする
などなど
こんな尊い言葉あります?
妄想し甲斐があるのでひとりごとページへ引っ張ってきました。
しばしこれを考える時間!
「綺麗、ですね」
しとしと降る雨に打たれながらの散歩は、思った以上に肌寒くて、濡れて、これは失敗だったかなあと思っていたところだった。
珍しい、ニアの感嘆。
「うん。そうだね」
撫でるようにちらりとこちらを見た後、ニアは続ける。
「嫌いではありません」
「?」
「あめ、です」
脈絡のない会話に思えた。
けれどすぐに気がついた。
無理に誘って出てきてもらったのに、雨に降られ傘の中での窮屈な散歩になってしまったこと、私が気にしていること。
「私は好きじゃないよ」
静かに、正直に打ち明ける。
動きにくいし、天は見上げられないしさ。
青空が、恋しい。
紫陽花だって、きっともっと爽やかだと思っていたのに。
しゃがんで1つの傘に収まりながら、ニアの指先を見つめる。しっとりと濃い青をした紫陽花の花びらから、さらりと雨の雫を受け取って、指先からぽたぽたと落とす様。
あれ…。ニアの指、綺麗だなぁ。
すっかり紫陽花のことなど忘れて見入っていると、その指先がふわりと私の手を包み込んだので驚いた。
「冷えてます。そろそろ戻りましょう」
突然のことに声も出せず頷き、エスコートされるように手を取られたまま立ち上がった。
…参った。今ノックアウト寸前。
ニアが隣にいてくれて、肩がこすれて。二人だけの空間の中を寄り添って。
「なんか」
「悪くないでしょう、雨」
答えをとうに見抜いているニアに指摘されれば、私が返せる言葉なんて1つだけなのだ。
「うん。悪くないね、雨」
○梅雨のデート○
「熟した洋梨ってかぶりつきたくなるよねぇ」
数日前、彼女は確かにそう言った。
庭先の果実を見ながら、うっとりと。
「ねえ!今日は出かけるって言ってたじゃない!」
その時ひらめいた訳だ。
「マット!おーきーてーー!!」
我ながら天才だ。二人きりの朝、するべきことは一つしかない。
「いつまで寝てるの…もう」
答えまで、あと少し。
「じゃあこうしちゃおうかな〜」
思惑に気が付かない愛しの彼女はそう言って、とっくに起きていた俺の耳元に優しくキスを落とした。
出かけるのは、もう少し後になるだろう。
●洋梨になるまで寝ていた●