師弟が末長く爆発してるだけ
2015/08/21

師匠
「もふもふ!もふもふもふ!!!」

弟子
「ひゃああああやめろおおおお」

師匠
「…ふぅ。すまんな、急にものすごくもふもふしたくなったのだ。満足した」

弟子
「し、将来禿げたら真っ先にあんたのこと恨むからな…!」

師匠
「やめろ!!そんな夢のない話をするな!!お前はひよこだからある一定の年齢以上には成長しないし、身長も伸びないのだ!ずーっともふもふのままなんだよ!」

弟子
「ええ〜…変態こじらせすぎだろ気持ち悪いなあ…っていうかなめんな、僕はまだいっぱい伸びしろがあるんだよ!見てろ、そのうちあんたなんか追い越してやるからな!」

師匠
「…ふむ、面白い。それでは10年後、おれよりお前の方が背が高くなっていれば、今までもふもふしてきたことのお詫びに何でも言うことを聞いてやろうではないか」

弟子
「えっ…ほ、ほんとに?何でも?」

師匠
「勿論。おれは1度言ったことは曲げない男だ、デコピンでも足つぼマッサージでも熱湯風呂ダイブでも笑顔でこなしてみせるぞ」

弟子
「言ったね?よし、絶対に追い抜く…!!」

師匠
「…ちなみに、身長が大して伸びなかった場合は…」

弟子
「それこそ禿げるまでもふもふでも何でもすればいいよ。まあ伸びなかったらの話だけどね」

師匠
「な、なんだと…!これは負けられんな!!セイ!!」

弟子
「わ、なんだよ急に!頭ぐりぐりすんな!」

師匠
「いくらお前が相手とはいえ…いや、お前が相手だからこそ、勝つためには手段を選ばん!今から押さえつけて、少しでも縮ませるのだ!」

弟子
「やめてよ!そんなことして本当に縮んじゃったらどうするんだ!離せ!ばか!」

師匠
「縮め〜縮め〜」

弟子
「縮んでたまるか…!」





***10年後***





テル
「レトさん」

レト
「どうした」

テル
「ずっと前に、僕がレトさんの身長を越すかどうかって話したの…覚えてる?」

レト
「…ああ。あったかもしれんな、そんなことも」

テル
「もうあれから10年は経ってると思うんだけど…どうかな、背比べしてみない?」

レト
「やだ」

テル
「即答!?」

レト
「…だってお前がこんなにでかくなるなんて思わなかったんだもん…おかしいだろ…違うだろこれ…!成長期怖すぎるだろ…」

テル
「だから言ったじゃん、伸びしろがあるんだって」

レト
「言ってない」

テル
「言った」

レト
「………」

テル
「…本当はさ、別にそんな昔の勝ち負けにこだわってる訳じゃないんだ。ただ、どれくらい近づけたか確かめたいと思っただけなんだ」

レト
「…それもそうか…ここ数年は、身長の話なんてすることも無かったからな」

テル
「そうでしょ?そうと決まったらほら、立って、しゃきっと立って」

レト
「うむ…どうしよう緊張してきたぞ…!」

テル
「なんでだよ…大丈夫、僕が勝ってたって、熱湯風呂に突き落としたりしないから」

レト
「ほ、ほんとだな!」

テル
「………多分…」

レト
「…くっ、まあいい。ではとっとと身長を比べてみようではないか!でも怖いからほんとに熱湯風呂は無しな!」

テル
「はいはい。………」

レト
「………」

テル
「………」

レト
「………こ、これは…」

テル
「…あー、やっぱりレトさんには届かなかったね。あとちょっとだったんだけどなあ…」

レト
「…ふ、ふふふふふ…んへへへへへ…うふふふふ…」

テル
「…なんだよその変な笑い方」

レト
「ふっふっふ…!やはりお前はお前なのだな!…小さいテルのままなのだな!」

テル
「負けたのは認めるけどさ、流石に小さいとは言われたくないんだけど…差は随分縮まってると思うよ」

レト
「しかし勝ちは勝ちだからな。………おれが勝った場合は…」

テル
「なんだっけ…えーと…ああそうだ、僕の頭を触りたいって言ってなかった?まあ、したいなら好きなだけもふもふしていいよ?」

レト
「………」

テル
「どうしたの?」

レト
「…しょ、ショタじゃなくなっているではないか…」

テル
「何を今更!?ばかなの?」

レト
「そうか…そっか、そうだよなあ。10年たったんだもんなあ。…テル、もう少しこっちに来い」

テル
「うん」

レト
「よしよし。…ああ、本当に、大きくなったなあ」

テル
「…さっきと言ってることが逆だよ」

レト
「さっきのは冗談だ」

テル
「知ってるよ」

レト
「………」

テル
「………」

レト
「…違うな。ついさっきまでは、お前はずっと小さいままだと思っていたんだ」

テル
「…そっか」

レト
「それなのに………あーあ、昔はひよこと見紛うくらいのサイズだったのになあ。こーんな!こーんなだったのに!」

テル
「そこまで小さくはないから…もう、すぐおちゃらけるのやめなって」

レト
「………」

テル
「…レトさん?」

レト
「うむ…なんだか急に寂しくなってしまってな…楽しかったなあ、あの頃も」

テル
「…よしよし」

レト
「………」

テル
(なんだ…怒るかと思ったけど、案外おとなしいな)





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