あとがき

『月の女神は深紅をとかす』に最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

連載開始から完結までに8年以上も要してしまい、本当に申し訳ないです……。
きっとサイト開設をした当時から読んでくださっている方はもういらっしゃらないと思いますが、当時から現在に至るまで、当サイトを支えてくださった方、訪問し、私の拙い文章を読んでくださり、応援してくださった全ての方に、心から感謝をしております。

拍手、メール、Twitterでの応援のメッセージ等、いただいたものは現在でも全て保存し、スランプに陥る度に読み返しては元気をもらっていました。

原作には登場しないイリスさんというキャラクターを、原作に沿って無理矢理ストーリーの中に捻じ込む形になってしまったので、きっと原作との齟齬や、或いは矛盾点など多々あるかと思いますが、「イリスさんとヴィンセントさんの物語」ということで、どうか大目に見てやってくださいますと幸いです……。

「愛している人がいる」かつ「不老不死」の彼との恋物語は、どのようにすればハッピーエンドになるのだろうかと、サイトを開設するずっと前から考えていました。
どう考えても「詰んでる」状態だったのですが、当時まだ義務教育課程にあった管理人が無い知恵を振り絞って捻り出したのが、「腕輪を通してライフストリームを循環させる」という突拍子もない結末でした。
それでもなんとか、彼との距離を徐々に縮めてゆく過程と、ルクレツィアとの決別と、そして二人が末永く一緒に生きられるというエンディングを、こうして長編という形で残すことができたのは、本当に喜ばしいことです。

そしてこれらは、訪問し、私に活力を与えてくださった皆様のお陰です。これは誇張でも何でもなく、皆様の支えがなければどこかのタイミングでサイトを閉鎖していたと思います。本当に、ありがとうございます!

一応、あとがきらしく(?)本作に込めた意図を書いて終わりたいと思います。


Q.デフォルト名である「イリス」はギリシャ神話では「虹の女神」とされているが、題名では「月の女神」としているのは何故か?

A.作中では、彼女の容姿等、特に設定は設けていませんでした。ただ、彼女は太陽のようなエアリスに感謝して、尊敬や憧れの念も抱いていました(多分)。そんな彼女は、虹のようになりたいとも思っていた、という、作中には出てこない裏設定的なものがずっとありました。
けれど、実際の彼女は、どこかひ弱で、自分一人ではどうにもならない事態に直面することが多々あったかと思います。そういう意味で、「太陽に照らされることで輝く」という「月」に題名を変更しました。
もう一点は、ヴィンセントと夜を切り離して考えることができなかったので、そんな彼を照らすという意味でも、「月の女神」と題することにしました。



Q.サイト名は何故「Nighty-Night」なのか?

A.当サイトには中編や短編もありますが、あくまでも(個人的には)メインはこの長編だと考えてサイトを開設しました。
そして、贖罪として眠り続けて悪夢を見続けていたヴィンセントを主人公が呼び起こし、最後には幸せに一緒に眠る、というエンディングを迎えたいとも思っていました。もう夜も悪夢も怖くはない、安心して眠れる環境で、恋人になった二人がおやすみを言うという場面で終わりたかったのです。
中学生の当時(中二病全開なのですが……)"Good night"は一般的な「おやすみ」の意味で、"Nighty-night"は、親が幼い子に言う場合と、それから恋人に言う場合の、愛情を込めた「おやすみ」なのだと知りました。
ですから、この長編のラストに繋がればよいなと思い、このサイト名にしました。短絡的ですね 笑



Q.セフィロスは結局主人公をどうしたかったのか?

A.最後に書いたように、セフィロスは初めから主人公には生きていてほしいと思っていたのだと思います。だからこそ、延命できる腕輪を渡したのだとも思います。
一緒に連れていけなかったのは、彼と主人公が一緒に居ると、主人公の体調が悪くなってしまうからです。一度は仲間の元から掻っ攫って神羅屋敷で方法はないかと調べるんですが、やっぱり駄目で、泣く泣く置き去りにした、ということでしょうか……。
ただ、仮にセフィロスの目論見が成功して、星のライフストリームを全て取り込んだとしても、主人公だけは腕輪のおかげで、セフィロスと共に延命できると考えていた面もあります。
そういう意味では、セフィロスは本当の意味で主人公を想っていたんだと、そう思って書いていました。



その他にも伝わりにくい箇所であったり、「この伏線回収できてないぞ」というような箇所があったら、どうか遠慮なく仰ってくださいませ。大喜びでお返事を書かせていただきますので!


長くなってしまいましたが、皆様への感謝の気持ちは全て伝えきれている訳ではありません。ただ、ここで「ありがとうございます」と何度も繰り返すよりも、読んでくださる方がいる限り、また話を書いて、ほんの少しはいるかもしれない読者の方へ恩返しをしてゆきたいと思っています。
それでも、皆様の貴重なお時間を割いて、当サイトに足を運んでくださったこと、読んでくださったこと、本当に感謝しております。
どうか皆様にも、穏やかでやさしい夜が来るよう、そして、安心して眠ってまた起きられるよう、遠くから祈っております。

2021.4.12 管理人:葛義(カズラギ)


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