ヒロアカaqua


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そして寮に帰ってきた私たちが聞いたのは生演奏&ダンスというもの
どうも焦凍くんの案らしくて驚愕した

翌日も放課後みんなで共同スペースに集まって相談を行う

「あれ、今日は舞羽たちは補習ねェの?」

「うん、私と雫ちゃんは他のみんなより授業多めに出てたからね」

「だから今日は一緒に計画練るよ!」

昨日はみんなに任せきりだったのでそう告げると飯田くんが頷いた

「文化祭はちょうど1ヶ月後!時間もないし今日色々決めてしまいたい」

「まずは楽曲だね!」

「やっぱノれるやつっしょ!」

「じゃあなるべく皆が知ってる曲をやるべきじゃね!?」

「おどれるやつーーー!!!!」

相変わらず主張激し目な面々
その意見を聞いた響香ちゃんが意見を出す

「となると4つ打ち系だよね、ニューレイウ゛系のクラブロック
ダンスミュージックだと本当はEDMでまわした方がいいけど皆は楽器やる気なんだよね?
ベースとかドラムやった人いる?」

その問いかけにシーンとする一同

「だよね…まずバンドの骨子ってドラムなんだけどさ、ウチはギターメインでドラムは正直まだ練習中なのね
初心者に教えながらウチも練習しなきゃだと1ヶ月じゃ正直キツい」

それを聞いてハッとした唄ちゃん

「あれ、勝己って音楽教室行ってなかった?」

「あ?」

不機嫌そうな爆豪くんに全員の視線が集中する
というか音楽教室に通ってたことが意外すぎる

「爆豪ちょっとドラム叩いてみろよ」

「誰がやるかよ」

「かなりムズいらしいぞ」

瀬呂くんの挑発にまんまと乗った爆豪くんは響香ちゃんの部屋から持ってきたドラムをそれは見事に叩いた

「あ?」

ジャアアアン!とシンバルまで鳴らした様子ににこにこしながら拍手する唄ちゃん

「わあ、相変わらずすごーい」

「か…完ぺき!!」

「すげェ!」

「才能マンキタコレ!!」

器用にこなすとは思ってたけどドラムができるなんて逆に何かできないことあるんだろうか

「爆豪ドラム決定だな!」

「あ?そんな下らねーことやんねェよ俺ァ」

そう告げて部屋に戻ろうとする爆豪くん
そんな彼を追うのは響香ちゃん

「爆豪お願い!つーか、アンタがやってくれたら良いものになる!」

けれどその言葉を聞いた爆豪くんはイラついたような顔で振り向く

「なるハズねェだろ!アレだろ?他の科のストレス発散みてーなお題目なんだろ
ストレスの原因がそんなもんやって自己満以外のなんだってんだ、ムカツク奴から素直に受け取るハズねェだろが」

ごもっともな意見に様子を見守る

「ちょっとそんな言い方!」

「そういうのが馴れ合いだっつってんだよ!!」

「いやしかし…確かに…配慮が足りなかったか…」

彼の言ってるように文化祭の主役は他科
私たちはストレスの原因であり目の上のタンコブ

「話し合いに参加しねェで後から腐すなよ」

焦凍くんが爆豪くんにそう告げたことで判明したが話し合いに参加してないらしい
なるほど、そりゃ反感買っても仕方ないね!

「ムカツクだろうが…俺たちだって好きでヴィランに転がされてんじゃねェ!」

その言葉にA組全員がハッとした
そうだ、私たちだって本当は他科と仲良くしたい
迷惑なんてかけたくない

「なンでこっちが顔色伺わなきゃなんねェ!てめェらご機嫌とりのつもりならやめちまえ、殴るンだよ…!
馴れ合いじゃなく殴り合い!やるならガチで…雄英全員音で殺るぞ!!!!」

「「「「バクゴォォォォ!!!!!」」」」

思いっきりやばいことを言っているけれど、内容は理解できた
それになんだかんだやってくれるらしい

「(爆豪くんもまだ自分を責めてるんだろうな…)」

私たちが攫われて、それのせいで雄英が色々厳しくなった
おかげで他の科は巻き込まれている

「(全部返せるわけじゃないけどこの文化祭で少しでもお詫びがしたい)」

その後もメンバー決めは続く

「私幼少の頃から教養の一環でピアノを嗜んでおりましたが…何かお役に立ちますでしょうか?」

「わー!じゃあヤオモモはキーボードだ!!」

「シンセは…クラブミュージックに欠かせないポジなの、ヤオモモ助かるよ!」

「がんばりますわ!」

助かるという言葉に喜ぶ百ちゃん

「えー女子でガールズダンサーズやろって話してたのに!でもカァイイからいいや!!」

残念そうな三奈ちゃんに歩み寄った

「私バレエやってたからダンスちょっとは踊れるかも、一緒にやろう」

「え!海色踊れんの!?やったぁああ!!」

ガバーっ!と勢いよく抱きついた三奈ちゃんを受け止める
バレエとダンスは別物だけど何かしら通づるものがあるかもだし楽しみだ

「ベースはウチやるから、あとはギターとボーカルだね」

「それ以外の人はダンス?」

「うむ…ただ普通にそれだけで盛り上げられるか…」

「それはあの馬鹿騒ぎするやつの」

「演出を加えなきゃー!!!」

「それだ」

焦凍くんはライブやダンスミュージックのことを馬鹿騒ぎするやつと認知しているらしい
間違ってないけれど

「たとえばコレね!火花とかテープとかミラーボール!空間づくりで欠かせないのが演出!!」

「ディズニーパレードみたいにしようよ!」

「それの参加一体型!」

見ている人も楽しめるような演出
体育館を借りて行うためスペースは広く使える

「じゃあね例えば例えば麗日が轟と切島を浮かしとくでしょー!?でね!轟の氷を切島がゴリゴリ削るの!
んで青山がミラーボールになってるから…スターダストみたく光がキラキラ舞い落ちるんだよ!チームスノーマンズ!!」

まるでかき氷器みたいなものを想像したけれど確かにそれは綺麗かもしれない
前にみんなで雑談してたチームコンボの話がここで生きてくるとは…

「実にいいと思う!盛り上がりに華を添える大事な要素だ!」

「そうなると演出の裏方さんも要るねェ」

わいわい話し合っているとき、寮の扉が開いて帰ってきたインターン組の4人に今までの経緯を説明することにした









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