ヒロアカaqua


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今までの話し合いの経緯を聞いたインターン4人組

「へ?歌は唄ちゃんじゃないの?」

お茶子ちゃんのそのキョトン顔に唄ちゃんは苦笑いした

「いや、まだ全然…」

唄ちゃんが「決まってない」と告げる前に名乗り出たのは3人

「ボーカルならオイラがやる!モテる!」

「ミラーボール兼ボーカルはそうこの僕!」

「オウ!楽器はできねーけど歌なら自信あんぜ!!」

峰田くん、青山くん、切島くん
それぞれ歌声を披露するけれどなんと言うか酷い仕上がりに遠い目をしていると透ちゃんが「唄ちゃんもどうぞ!」とマイクを渡した

「…あの、私人前で歌うとかは…」

「いいからいいから!」

押しに押され、唄ちゃんがおずおずと歌い始める
とっても綺麗な歌声だしみんなに笑顔が広がった

「わあ!唄ちゃん歌うまーい!」

「流石ボイトレ経験者…!」

「じゃあ舞羽で決まりね」

そう告げた響香ちゃんに唄ちゃんがマイクを渡した

「ね、私響香ちゃんの歌聞きたいんだけど」

「耳郎ちゃんも歌上手いもんね!!」

ぱああっと顔を輝かせるお茶子ちゃん
戸惑う響香ちゃんが歌った、とっても綺麗な音
ハスキーボイスにまたまた頬が緩んでいく

「ね、ボーカル2人とかできる?」

「片方が楽器と兼任すれば…ってまさか!?」

ギョッとする響香ちゃんににっこりと微笑んだ唄ちゃん

「えっ、いやでも舞羽のソロの方が…!」

「どうして?私響香ちゃんの歌声好きだよ、それに2人の方が絶対楽しい!」

「っ…」

手を握ってお願いされた響香ちゃんが顔を真っ赤にして「じゃあそれはそれで」と納得する
2人が歌うなんて既に楽しみすぎる

「で!あとギター!!2本ほしい!!」

「やりてー!!楽器弾けるとかカッケー!!」

「やらせろ!!」

立候補したのは上鳴くんと峰田くん

「やりてェじゃねンだよ!殺る気あんのか!!?」

「あるある!超ある!ギターこそバンドの華だろィ!!」

爆豪くんに物怖じせず言い切った上鳴くん、どうやら峰田くんは頭身的な都合で手が届かないらしい
置き去りのギターを手に取ったのは常闇くん

「常闇!?」

「なんて切ねえ音出しやがる!」

「弾けるのか!?何故黙ってた!?」

「Fコードで一度手放した身ゆえ…峰田、おまえが諦めるならば俺がお前の分まで爪弾く」

「勝手にしろクソが
下らん下らん、はよ終われ文化祭、全員爪割れろ」

完全に拗ねモードに入った峰田くん
そんな彼に三奈ちゃんが声をかけた

「峰田!ダンス、峰田のハーレムパートつくったらやる!?」

「やるわ、はよ来いや文化祭…!」

ナイスすぎるフォロー
そして深夜1時を回った頃、ようやく決まった役割分担

バンド隊に唄ちゃん、響香ちゃん、爆豪くん、上鳴くん、常闇くん、百ちゃん
演出隊に焦凍くん、瀬呂くん、青山くん、切島くん、口田くん
それ以外がダンス隊

いよいよ明日から始まる練習に向けて意気込んでいると三奈ちゃんが「海色も一緒に振り付け考えよー!」と声をかけてくれたので頷く
こうやってみんなで協力して何かを作り上げるのは好きだしA組のみんなとなら尚更

わいわい盛り上がっていると唄ちゃんの顔色が赤いことに気がついて首を傾げる

「あれ、唄ちゃん顔赤くない?大丈夫?」

「今日暑かったからね!!」

「もう10月だけど」

慌ててこちらへ向かってきた唄ちゃんを氷で冷やす
チラッと爆豪くんを見れば何やらぽかんとしており、唄ちゃんを眺めていた

「(おやおや?)」

何やら進展しそうな2人に文化祭が益々楽しみになってきた!









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