ヒロアカaqua


▼ 25



食堂へ向かった唄ちゃんと私
唄ちゃんはさっきの焦凍くんと緑谷くんの覚悟を聞いてから言葉数が少ない

「あ、いた!」

パタパタと走ってきたのは響香ちゃん

「どしたの?そんなに急いで」

「なんか女子は全員、午後のレクで応援合戦しかいといけないらしくてさ」

「え、そんな話しあったっけ?」

唄ちゃんが疑うように響香ちゃんを見るけれど相澤先生の言伝らしい
急いで昼ごはんを食べてからA組のみんなの所へ行く

「2人とも!これを!」

百ちゃんが渡してくれたのはチアの格好
創造で作ってくれたらしい

「これを着て応援合戦頑張ろー」

「「おー!」」

って、お茶子ちゃんにみんなで賛同したのが5分前
そして現在グラウンドでもれなく全員真顔になってる

「やっぱりか」

唄ちゃんの声が聞こえた
遠い目をして本物のチアリーダーの人達を眺める私たちA組女子一同
どうせ峰田くん辺りのイタズラだろう

『最終種目発表の前に予選落ちの皆へ朗報だ!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーションも用意してんのさ!本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ…ん?アリャ?どーしたA組!!?』

「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私…」

「百ちゃん元気出して」

百ちゃんに声をかけ励ましているとアナウンスが鳴り響く

『さあさあ、みんな楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目
進出4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!1体1のガチバトルだ!!!』

結局その格好のまま説明を聞いてる私たち

「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ
組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります

レクに関して進出者16人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ、息抜きしたい人も温存したい人もいるしね」

唄ちゃんたちはレクに参加するみたいだから私も行くことにする




そして組が決まった

私の相手は上鳴くん、もし上手く行けば3回戦で焦凍くんと当たる

「私の相手は三奈ちゃんか」

「正々堂々いい勝負しようね、舞羽!」

「うん!」

握手を交わす2人、元気ペアの2人は仲良さげだ
友達だからこそ熱く本気になれるバトル、これも漫画で読んだ展開でテンションが上がってしまう

その後みんなでレクを楽しみ、いよいよトーナメントが始まった
初戦は緑谷くんと心操くん、そして次が焦凍くんと瀬呂くん

基本的に自分の番以外は客席で観覧可能なので、みんなは上に上がったものの、私は3回戦目ということもありバックヤードでストレッチをしておく

「(さっき聞いた話のせいかもしれない、落ち着かない)」

今はちゃんと集中しなきゃ

「(上鳴くんの電気と私の水は相性最悪、どうにか方法を考えないと…)」

アルカリ金属の入ったボールは事前申請でも持ち込みが出来なかった
ということは爆破は無しで流れを変えるしかないかと考えていると、視界に影がかかる

「あ、すみませ…」

誰かの行く手を遮ってしまっているのかなと思い振り向いた私の目には燃え盛る炎が映る

「エン…デヴァー…」

それは長らく会っていなかったエンデヴァーだった










prev / next



- ナノ -