ヒロアカaqua


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個性把握テストの翌日

午前中は必修科目である英語等の普通の授業を受け、昼は大食堂で一流の料理を安価で頂く

そして午後の授業、ヒーロー基礎学
待ちに待った授業にわくわくしているみんな
なんて言ったってこの授業の受け持ちはあの人だ

「わーたーしーがー!」

突如廊下から聞こえた声に生徒達の目に輝きが灯る

「普通にドアから来た!!!」

入ってきたのは平和の象徴、オールマイト
誰もが憧れるヒーローの頂点であり最強無敵の存在

「(わあ、テレビで見るよりも迫力あるなあ…)」

ヒーローを目指す雄英生にとって、そのNo.1であるオールマイトは憧れの存在
けれど私は元々オールマイトに憧れたわけじゃないので妙に冷静だ

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う課目だ!早速だが今日はコレ!戦闘訓練!!!」

Battleと書かれた札を持つオールマイト
戦闘訓練…いよいよヒーローらしい授業になってきたためかみんな嬉しそうだ

「そしてそいつに伴って…こちら!
入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってあつらえた…戦闘服!」

コスチュームの入ったアタッシュケース
自分の出席番号がかかれたそれを受け取る

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!」

そう告げられて女子更衣室へ向かう
コスチュームを確認すれば燕尾型のトップスにキュロットスカート、白手袋に、パンプス
あとは髪の毛をポニーテールにして、飾りの小さな王冠をヘアピンで固定すれば完成だ
イメージはピエロと魔女を足して2で割ったような感じ
好きな少女漫画の受け売りであるが要望通りの仕上がりで安心する
カーテンを開ければそこには着替え終わっている女子の面々

「わあ、雫ちゃん可愛いコスチュームだね!」

目をキラキラさせてお茶子ちゃんが駆け寄ってきた
そんなお茶子ちゃんのコスチュームもとても似合っていて素敵だと思う
さすがプロの仕事、みんな自分の個性にあったコスチュームに仕上がっているのか満足そうだ

「ありがとう、みんなも素敵だね
…って、あれ?唄ちゃんは?」

そう言った時、カーテンがシャッと開いた
そこには憂鬱そうな表情の唄ちゃん

ワンピース型のコスチュームはひらひらしており可愛らしい
個性が"天使"というだけあって、モチーフもそれに寄せてるんだろう

「「「「天使だ…」」」」

みんなで口を揃えてそう呟く
けれど唄ちゃんは不服そう

「要望書お母さんに書かれた…!」

しまったと言わんばかりに頭を抱える唄ちゃんに透ちゃんが「大丈夫だよー、私なんて裸にグローブとブーツだから!」と言ってのけた
それはフォローになっているのか分からないけど、唄ちゃんはヒラヒラしているシースルー生地だけでも剥ぎたいと独り言を言っている

「(せっかく可愛いんだからそのままでいいと思うんだけどなぁ)」

着替えも終わりグラウンドβへ向かうと、次々と生徒達が集まり始めていた

「格好から入るってのも大切な事だぜ少年少女!自覚するのだ!今日から自分はヒーローなんだと!
始めようか有精卵共!戦闘訓練のお時間だ!!」

整列しているみんなのとこへ行くと、焦凍くんにやけに凝視されていることに気が付く

「?」

焦凍くんのコスチュームは左半身を氷でおおったようなデザイン
左側はエンデヴァー譲りの炎の個性
それをを否定したような見た目にただならぬ憎悪を感じとる

焦凍くんは何か言いたげなので、もしかして服装変だったかな?と思い首を傾げたが
すぐにオールマイトが説明を始めたので口を噤む

これから行うのは2VS2の模擬戦闘とのこと

状況設定はヴィランがアジトに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。
ヒーローは制限時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収すること
ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえること

というものらしい
ペア及び対戦相手はくじ引き、22名という関係上、1チームだけ2回戦ってもらうことになるみたい

ちなみにくじ引きの結果、私と唄ちゃんがペアとなった

「頑張ろうね唄ちゃん」

「うん!」

あとは私たちがヒーロー側かヴィラン側かどちらに配置されるか
オールマイトがくじを引き始めて、一戦目の対戦相手が決定した

「Aコンビがヒーロー!Dコンビがヴィランだ!」

Aは緑谷くんとお茶子ちゃん
Dは爆豪くんと飯田くん

その組み合わせに唄ちゃんは不安そう
幼馴染2人の対決、それに見たところあの2人にはかなり因縁があるようだから心配するのも無理はない

「大丈夫?」

「あっ、うん…ちょっと考え事してて」

誤魔化すように笑う唄ちゃん
その笑い方が取り繕う私と同じなのでそれ以上詮索しないことにする

「(誰にだって触れて欲しくないことはあるもんね)」









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