▼ 101
AM10:00
ブザーの音と共に開いていく幕
スタンバイしている私たちダンス隊とバンド隊の面々
「どんなもんだあ!?1年ー!!!」
「八百万ー!八百万ー!!」
「舞羽ー!舞羽ー!!」
謎のコール
ライトがつけば始まる
「いくぞコラァアアア!!!雄英全員…音で殺るぞ!!!!」
開幕、爆豪くんの爆破と共に始まったイントロ
ダンス隊も一斉に動き出す
「「よろしくお願いしまぁあす!!!!」」
響香ちゃんと唄ちゃんが共に叫んでから歌い始める
ダンス隊の息ぴったりな踊りのAメロ
練習の成果が出ていて嬉しい
そしてサビの青山くんと緑谷くんのパート
緑谷くんが青山くんを投げ、ネビルレーザーによる人間ミラーボールの完成
観客に笑いが漏れる、着地は尾白くんがキャッチしたので勿論怪我はなし
1番が終わり2番に入るまでに各々の特技を活かした演技が繰り広げられる
2番も全員統一のフリと峰田くんのハーレムパートを挟んでサビ
響香ちゃんとのハモリを終えた唄ちゃんがヘッドセットを身につけながら飛んだ
跳び上がると同時に峰田くんのボールを媒介とした焦凍くんの氷結と瀬呂くんのテープ、百ちゃんの紙吹雪、青山くんのネビルレーザー、そして私のシャボン玉が体育館に形成された
爆豪くんの爆発も相まってとんでもなく場内が盛り上がる
氷の上と駆ける梅雨ちゃんがお茶子ちゃんを舌で掴んで浮いたお茶子ちゃんが客席の人とハイタッチしていけばそこには私と一緒に宙を舞う生徒たち
障子くんが氷結の上に私たちを投げたのでダンス隊も場所を変えた
そして体育館の天井の鉄骨を駆け抜けながら氷を削ってダイヤモンドダストをつくるのは切島くん
体育館全体がステージと化したその光景に会場は最高潮
踊りながらも浮いた生徒たちの安全確保をするために瀬呂くんのテープで氷結に固定していく
その最中見つけたのはエリちゃんと通形先輩
「(そっか、見に来てくれたんだねエリちゃん)」
シャボン玉を1つエリちゃんへと飛ばす
それを見たエリちゃんはとっても素敵な笑顔で笑っていた
無事に終了し、今はみんなで片付け中
「A組ー!」
「オツー!楽しませてもらったよー!」
声をかけてきたのは客席にいた人たちだろうか
こうやって褒めてもらえると嬉しい
「ごめん!」
「こき下ろす気で見てた!!」
その集団の中にいた男女がそう叫ぶ
「言わなくていいのに」
「(勝った)」
悪人面の爆豪くんを見るからに、あの人たちが標的だったんだろう
「先生が言ってたストレスを感じてる人だったんかな?
だったら飯田通じたってことだなァ!」
「うむ!しかし!理由はどうであれ見てくれたからこそ見てない人もいるはずだ、今日で終わらせず気持ちを…」
熱く語る飯田くん
けれどその場にいた他科の人はみんな晴れやかだ
「いいんじゃない、君らがどういう思いで企画したか聞いてるし」
「俺たちには伝わった」
「今度は俺らからそいつらに…本当に楽しかったもん、君らの思いは見た人から伝播していくさ」
その言葉にホッとした
「伝わったね」
「っ、うん!」
「スカッとしねえ…見なかった奴炙り出してつれて来い!」
「いいやめろ、やめろもう!」
爆豪くんの暴走を止める尾白くん
せっかくいい流れになってるんだからそっとした方がいいのに彼らしいっちゃらしい
「早く氷全部!!片付け!!済ませようや!!!早くしねえとミスコン良い席とられるぞ!!!」
そう叫んだ峰田くんにブレないなと呆れつつも片付けを続行していると唄ちゃんと響香ちゃんと三奈ちゃんに更衣室へ連行された
挙句の果てには髪の毛までいじられた今の格好はまるでパーティにでも行くかのような姿
「ちょ、な、何これ!?」
「いいからいいから」
有無を言わせず連行されたのはミスコン会場の裏
「唄ちゃんこれ何が…」
嫌な予感がして顔が引きつっている私ににっこりと微笑んだ唄ちゃん
「ミスコン、エントリーしといたよ☆」
「何で????!!!!」
A組は出さないってことにしたんじゃなかったの?!とギョッとするけれど色々あったらしい
絶対悪ふざけでしかないと思うのに
「ってことで優勝目指して頑張ってね!」
いい笑顔で言ってのけた唄ちゃんに項垂れるけれどここで出ないという選択はないようでスタッフさんに声をかけられた
prev / next