13.


少しすると、斬島さんが緑のめだまを一つ持って帰ってきた


「白狐、次は一緒に来てくれないか。何処にあるのか見当もつかん」

『勿論、いいよ。それじゃ木舌さんまた後で』

「ああ、また後でね」笑






「木舌とも仲良くなれたようだな」

『獄卒さんは皆優しくていい人ばっかりだから』笑

「そうか?…ここか」

『うん、そこ。その目玉ばかりの教室に、一つだけ緑の目玉がある筈』

「………………あった、これだな。白狐、助かった」

『ううん』


斬島さんが目玉を抉ると、まるで生きていたかのように悲鳴をあげた


「木舌のところに向かおう」

『う、うん』


こういうのに動揺しないところも、皆似てるよね…









「緑の目玉、持ってきたぞ。」

「ああ、ありがとう。すっきりしたよ」



緑の目玉が2つ目に戻った木舌さんは、私をじーっとまじまじと見た


「白狐ちゃん、思っていた以上に可愛いね。俺が二人きりなら襲っていたかもしれないよ」笑

『なっ…』真っ赤

「木舌、白狐を口説くなよ」

「口説いてない、本当のことさ」笑

「すまないな白狐、木舌はこういう奴なんだ」

「変なイメージ作らないでくれないかな。…あ、ちょっと待ってて」


木舌さんが見えなくなり、直後カチャリと鍵の開く音がした


「鍵開けたからどうぞ」



中に入ると、その教室には何故か上へ続く階段が。


「亡者はこの先へ行ったよ。

ここまで追って来たんだけど……油断したかな

まさか目玉を抉られるとはね」


想像するだけでゾッとするけど、獄卒さんは目玉を抉られても死なないんだよね…



『斬島さん、行こう。亡者はこの先にいるよ』

「ああ」



階段を上がると、一つの金具が。


『これで全部だ………佐疫さんに繋げてもらいに行こ!』

「佐疫か。なるほどな、あいつは手先が器用だからな」

『うん。佐疫くんはこの下にいる』

「そうか、ありがとう。白狐の全知は本当に助かる」

『言えるのは知ってることだけ。全部を知ってるわけじゃないんだよ』笑

「……白狐はやはり、笑っていた方がいいと思うぞ。…そんな哀しい顔で笑わないでくれ」


と、斬島さんが私の頬に親指と人差し指で愛でるように触れた


『…きり、しまさ…』

「…行こう。この下にいるんだろう?」

『う、うん。…』


今のは、……








「…この金具、繋がりそうだね。ちょっと待ってて」


暫くして、佐疫さんは青い石の入ったネックレスを斬島さんに渡した


「出来たよ。ネックレスだね」

「ああ。亡者はこれを探していたようだ…そうだな、白狐」

『うん。生前の大切な思い出だったみたい』

「なるほど、白狐の助力か。さすがだね」

「ああ。出会って少しの間しか経っていないが、俺は白狐を信頼している」

『う、うわ、照れるよ普通に…』

「……白狐、行こう。お前がいたから俺はここまで来れた」

『…うん。私も斬島さんが居たから、今日≠ヘ本当に楽しかった』笑

「そうか。ならば良かった」



あ、



斬島さんが薄く笑った


斬島さん本人も気付いていなかったのか、すぐにいつもの真顔に戻って階段を登り始めた


い、今のはちょっと…………反則では無いですか?









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