(高専時代の可憐さんと五条さんのお話。少しだけ最後に七海さんちらり。)
(ほぼ会話のコメディ。)
いつも馬鹿な話をしてさ、くだらないことに笑ってさ、そんな日々って後から見ると眩しいくらいに苦しいんだよさとるくん「ねぇ!!!それはあんたがおかしい!」
「ちょっと、傑!お前どっちの味方?!」
「硝子!!硝子もおかしいと思わない!?」
「「クレープは、」」
「いちごチョコ生クリームだよね!」「バナナチョコ生クリームだよな!」
「知らないよ」「知るか」
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「いや、そもそも甘いものあまり食べないからなぁ、僕。ね、硝子。」「あぁ。」
なんとも反応がうすい二人に対して、クレープ大総論をしている可憐と五条はなんとも不服そうな顔をする。この二人がくだらないことで言い争っているのはもはや日常だがまさかその議題がクレープだとは誰も思うまい。
「いちごは酸っぱいんだから、それにチョコかけたら甘さが半減すんだろ!」
「甘いけど酸っぱい感じがいいんじゃん!!バナナはひたすら甘いから味にパンチがなくなるの!」
「お前な、甘いものに甘いものを組み合わせるからいいんだろうが!」
「お子ちゃまめ!!!!!」
「なんでだよ!」
「ショートケーキが王道のようにいちごと生クリームは運命の関係でそこにチョコが入るなんて最高じゃん。神じゃん!」
「お前な、バナナこそクレープのエースなんだよ!そこに最早監督並みの実力を持つ生クリームと4番のチョコが合わさるなんて最強チームだろうが!」
「は?なんで、野球なのよ!」
「わかりやすいだろうが!」
「わたしの神説の方がわかりやすい!」
「「どっちもどっち。」」
夏油と家入が溜息を吐いたことは間違いない。
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「てか、あれかな。いつも同じ味ばっかり食べてるからたまには違うの食べてみたらいいのかな」
クレープ大総論の結論はとりあえず棚上げになったらしくまた放課後に二人揃っていつものクレープ屋に足を伸ばしていた。
「たとえば?」
「うーん。カスタードとか?」
「いや、俺は生クリームは譲れねぇ。」「なんのドヤ顔。」
「リンゴにシナモンとか。硝子が美味しいって言ってた。」
「生クリームは」「ちょっと黙って。」
「あ!!あんこ!あんこと生クリーム!」
「えー!わたしどうしよう」
「可憐はカスタードにしてみろよ」
「結局食べたいんじゃん。カスタード。」
「でも本命は生クリームだから。俺。」
五条は、あんこ生クリーム
可憐は、カスタードいちごチョコレート
を注文して、できあがったクレープを嬉々として受け取り二人は美味しそうにすぐに頬張る。
「うまっ!」「おいし!」
「どう?あんこ生クリーム!」
「甘さと甘さの革命だぞ、これ!」
「カスタードもすごいとろーっとしてておいしいー!」
どうやら、ベストクレープを決める大総論はまだまだ長引きそうだ。
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珍しく今日の午後から、五条と可憐は二人で都内に任務のために赴くことになっていた。しかし、頭の中が割とクレープで占められている二人は任務の後にどのクレープ屋に行くかリサーチが忙しい。
「ちゃんと準備したのかい?」
「「バッチリ!!!!!」」
夏油の質問に二人で声を揃えて答えるが、夏油は不安そうに溜息を吐いた。
「みてみて!ここのはすごいフルーツ盛り盛り!」
「見ろよ、チーズケーキ入ってるぜ」
「やばっ!アイス!私アイス入ってるのがいい!」
クレープリサーチを心いくまでしてから二人は任務へ向かったが、任務自体は思っていたよりも楽勝だったらしく予定より早くクレープ屋巡りに繰り出すことになる。
原宿にある少し落ち着いた外観のクレープ屋さんにたどり着いた二人は、輝かせた目でメニューをそれはよーく見つめる。
「ねぇ、」「おい」
「「クリームブリュレクレープだって!!」」
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「おかえりー」
「何がいいクレープはあったかい?」
「聞いて!傑!硝子!」
「すげーんだぜ!」
テンション高めの二人に明らかに夏油と家入は引いている。
「クリームブリュレクレープっていうのがあって!」
「パリパリのトロトロで!」
「うまかったなー!!」
「また、いこ!悟!!」
「平和だね、硝子。」「そうだな」
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「あ!クリームブリュレ!」
「お好きなんですか?」「うん!」
「昔、任務の帰りにクリームブリュレのクレープがあって、感動したんだよねぇ」
(なつかしい、あなたとの甘い論争。)
「建人はクレープ好き?」
「食事系の味のものなら好きですよ。」
「イメージ通りのお答えどうもありがとう。」
なんでもなかったとかいったって、私の日常にはあなたと過ごしたピースが至るところに落ちているさとるくんfin