REVOLVE! | ナノ
最近坂本の奴が変だ。いや、変なのは前からだが。ボーっとしている事が多い。奴にしては大人し過ぎる。


「ま、確かにな」


そう言うと、銀時は頷いた。

放課後の教室、俺達はそれぞれ自分の席に座っていた。達、というのは、俺と銀時と晋助だ。坂本は用事とかで帰り、美月は眠いから先に帰ると言って帰ってしまった。非常に残念だが、こういう機会は少ない。しかも坂本の話だ、奴が居ないとなれば話し合いの場を設けるのは必然。


「あの花見のときからだと思うのだが…」

「だろーな。な、高杉」


晋助は聞いているのかいないのか、無表情で窓の外に目を向けている。


「あの時な、ちょっと話したんだ」

「花見の時にか?」

「ああ。ほら、便所行くっつって」

「ああ…アイツが変だった後だな」

「そうそう。俺達は一つの結論に行き着いたわけだ」

「何だ、展開がやけに早いではないか」

「間に何もねーんだからしょうがねーだろ?」

「急に結論などと言われても」

「問題ねーだろーが!お前面倒くせェ!」


銀時が机に突っ伏した。面倒臭いとは失礼なことを言う。話し出してすぐに結論などと言うからではないか。


「好きなんだろ」


ぽつりと、晋助が呟く。脳が一瞬動きを止めた気がした。


「…、なにを――」

「アイツは、アイツを好きなんだろ」


低く掠れた声で、そう続けた。まるで独り言のようだった。



【5:にびいろ】


空は鈍い色だった



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