「朝ですよ、起きてください」
『………んー…。』
「おはようございます。朝食の用意ができましたよ。」

まだ起きたばかりのぼやけた視界に入ったのは、真新しい家具。チェストに飾られた白色のブーケ。そして、オペラさん。微かに漂う大好きな魔茶のフレーバーと、私を呼ぶ柔らかな声色に思わず顔がにんまりしてしまった。

「どうしたんですか。にやにやして。」
『オペラさんに起こしてもらうの、憧れてました。夢みたいです。』

入間君が言ってた。オペラさんに起こしてもらう朝が一番好きだって。勿論、使用人としての仕事を真っ当しているだけの事だと思うが、彼は愛されているのだと感じた。
いつかそんな日が、私にも来て欲しいとどこかの誰かに祈っていたら欲望たる願いは叶えられた。

「私も夢みたいですよ。朝起きたら、貴女が側に居る毎日が来るなんて。」
まだ寝起きで力の入らない私の左手を引き寄せ、オペラさんは戯れるように薬指にキスをした。
「結婚しましょう。あ、もうしてましたね。」

とぼけたような二度目のプロポーズは確かめるような言葉にも聞こえ、ふふっと幸せを噛み締めた。
その二人の誓いのリングに昨日の出来事を思い出し、まだ微睡む身体を起こしながら、愛しい彼に抱きついた。



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お題:診断メーカーより
「結婚しよう。あ、もうしてた」
#この台詞から妄想するなら
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