『リード、私何か悪いことした?』
「別に…」
『じゃあなんで避けるの?…怒ってるように見えるけど』
「そんな事ないって」
最近同じクラスのリードがおかしい。おかしいって言っても、私に対する態度だけがおかしかった。
いや、先週までゲーム師団で一緒にゲームしてたじゃん。クララちゃんも含めて楽しく。
それがなんだ?今週に入って目はそらすわ明らかに会話を避けてるわ。
なんなんだ。
それがずっと心に引っかかってもやもやした私は放課後空き教室にリードを呼び出した。
渋々呼び出しに応じたリード。今この時も全然目を合わそうとしない。それ結構傷つくんだぞ。
『モヤモヤするからなんで怒ってるのかだけ教えてほしい。』
「…」
『(だんまりかぁ…)』
なんでだろう。思い当たる節は…分からない…
私がゲームのセーブデータ間違って消したとか?
…リードの態度からそんな事のような感じじゃない。ほんとに分からない。
『何かしたならちゃんと謝る。でも、私思い当たる節無いんだ。』
「…」
『私はリードの事、大切だと思ってるから。
でも何も言ってくれないならもう行くね。…呼び出してごめん。』
結局何も言ってくれなかったリードにこれ以上は無理だなと思って踵を返す。
その瞬間、手を取られた。動揺し、リードを見ようと振り向いた瞬間、キスされた。
『…えッ!?』
「…あー!!もうッッ!ナマエの事好きだって自覚したらどうしていいか分からなかったの!!!
か…可愛すぎて直視できなかったの!!!
…変な態度とってごめんッ!!」
リードはそう言い残し、その場からダッシュで逃げていった。
私のファーストキス…奪われた…
『いきなりすぎるでしょ…』
言い逃げだしキスされるし…あのリードが私の事を…好き?
ちょっと待って!エリザが好きって聞いてたんだけど。
え?どこで方向転換したの?もう分からない事ばかりだ。
追いつかない頭のままアブノーマルクラスへ戻る。そこにはジャズが居た。
なんかこっち見てすごくニヤニヤしてるんですけど。
「リードのやつカバン取ってダッシュしてったけど。」
『つかぬことをお聞きしますがジャズさん知ってました?』
「何で敬語だよ。その様子だと言ったなアイツ。」
『リードがああなったのいつから?』
「あー…それは…。"最近ナマエがめちゃくちゃ可愛く見える…笑顔が可愛い…なんでだろ…"とか言ってたからそれ恋じゃね?っつたら机突っ伏してなんか唸ってた。」
『お前のせいか!!』
「いやいやいや!"俺のおかげ"だろ?で、どうなの。返事はどっち?」
『いや、なんかキスされて言い逃げしていったから返事してない。』
「はあ!!??」
あいつ…マジか…という顔をジャズはしてた。こっちこそその感想だよ。
『まあ…何か進展あったら教えるね』
「おー」
返事は決まってるんだけどね。
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照れるリードくんを書きたかった…だけの小説DEATH…