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8.


そして、もう一種類は怪談や都市伝説系。

あまりにも強い恨みにより死後悪霊に変質したものや、人間として生きた時期がなく存在した当初から異形だったもの。例えば、有名な口裂け女やメリーさんなどがそうである。

こっちには実質的な殺傷力がある。下手をしたら余裕で殺される。しかも、真木は幽霊に基本的には触れられないが、都市伝説系には触れられるし、油断すれば捕まる可能性もある。

つまり、幽霊に追いかけられたら焦らずに歩くだけでいいが、都市伝説系に追いかけられたら本当に死ぬ気で逃げなければならない。

で、成仏する条件も聞いてみた。

生前心残りだったことを果たすか、もしくは時間が解決してくれる場合もあるそうだ。

俺は勿論女の子とイチャイチャ…、いや、これはもう無理だからせめて下着とか素肌とか見たい。あまりに馬鹿馬鹿しいから黙っていたが、真木が鼻で笑い飛ばしたのが聞こえた。

「お前は都市伝説に会ったことある?」

気になったこと。

俺達一般人の多くは怖がると言っても、本心ではあまり信じていない人が多い。だが、実際にいると言われればかなり気になる。

「ある。つか、ありすぎる」

「例えば?」

「そんなに急がなくても、俺と一緒に住めばすぐに会えると思うぞ。…俺はあいつらが嫌でこんな高ぇマンションを借りたんだが、」

「え、このセキュリティ効くんだ!?」

「たまに」

「たまにって何!?」

叫びすぎて声が枯れてきた。

真木はソファーに寝っ転がり、ポテチの袋を開ける。そして、食欲を誘うトマトの香りを俺に嗅がせるだけ嗅がせて、自分で食べやがった。…別に、悔しいとか思ってないもん。

ひらひら、と摘んだポテチを俺の前で動かした後に、見せ付けるように食べやがる。

「ほら、死に損ない野郎、バカみてぇに浮いてねぇで家事しろ。まずは掃除機かけろ」

「はぁあ!?死に損ないって何!?成仏できずに幽霊になったからって死に損ないって呼ぶことなくない!?つか命令すんなよ!!」

「シュッされてぇのか?」

「…掃除機どこにありますか?」

「自分で探せ」

暴君だ、暴君がいる。

真木を控えめに睨んでから、俺は掃除機探しの旅に出ることにした。まずは情報収集として台所のアサリさん達に聞いたが、返ってきた答えは『冷蔵庫の中にはなかったよ』だった。

…うん、どの家でもそうだと思うよ。

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座右の銘:リア充爆発しろ。
現世への未練:イケメン滅ぼす。