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7.


消したエアコンから自力で抜け出した俺は、自分が発するフローラルな香りを少しでも消すべく部屋のあちこちを浮遊していた。

それと同時に今までの境遇を話した。

で、真木の反応がこれだ。

「ッはは、腹筋で死んだってダッサ!初めて聞いたんだが死因腹筋。んくっ、ふはは!」

と腹を抱えて爆笑された。

予想はしていたけど、笑われるとムカつく。だが、リセッチュが真木の手元にあるから下手に反撃できず、睨むしかできなかった。

「てか、いつから見えてたの?」

「最初から。しおりがマフィン焼いた時」

「マジかよ…」

つまり、インターホンや寝言は仕方ないとして、その後のポスターやバルシャンや無視は全部わざとだったというわけだ。

睨んでも真木にダメージはない。

「で、お前はなんなの?霊感持ちって言っても会話できるなんて人、聞いたことないよ」

「あぁ、これは体質だ」

真木の話はこうだった。

物心がついた時から生きている人間以外に、異形達が見えていた。それらの言葉を聞き、会話することができたが、時間が経つにつれそれらは確かに存在するが自分以外には見えず、周りから見れば自分が異常なのだと知った。

自分に霊感があることを家族にも話さなかったが、大学に入り、しおりちゃんと知り合い、彼女にも霊感があることを知った。

だが、この二人の霊感のレベルは違う。

しおりちゃんは視線を感じたり、空気が冷たいと感じたり、嫌な感じがしたりといった軽めの反応で実際に見たり聞いたりできない。

それに対して、真木はもっとひどい。

姿をはっきりと見て、声を聞くことができるのだ。しかも、厄介なことに、霊感が強い者の中にはごく稀に異形を引き寄せる者がいる。

真木がたまたまそれだった。

これだけ広い都内で俺がたまたま真木の家を選んだのも、女の子の肌を見るのが目的なのにしおりちゃんについて行かずに真木の家に残ったのも、無意識に引き寄せられたからだ。

因みに、異形には二種類いる。

一種類は死んだ人間や動物の魂。

昔は人間や動物として生き、死後成仏できずに魂だけ現世に残ったもの。若干のポルターガイストを起こせるが、基本的には致命的な殺傷力はない。俺や台所のアサリがそうだ。

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座右の銘:リア充爆発しろ。
現世への未練:イケメン滅ぼす。