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7.


実は、ディールシャッフルには特性がある。

ディールシャッフルを二回行う。条件は一回目の時の山の数と二回目の時の山の数の積を、シャッフルするデッキの枚数になるように行えば、デッキの並び順はシャッフルする前に完全に戻る。

今回は一回目が6、二回目が9。積は54。これはJokerを抜いていないトランプの枚数だ。

つまり、

(こいつはシャッフルしているように見せかけて、実は並び順を変えてねぇな)

Jokerを抜いていないのはこのためだ。

抜いてしまうと合計で52枚。ポーカーを遊ぶのに適切は枚数だが、4の山と13の山でディールシャッフルを行わなければならなくなる。それではあまりにも不思議だ。

Jokerを抜かなかったのが故意であり、ディールシャッフルの特性を利用しようと狙ったものであれば、フォローが入るはずだ。

「あ、悪い。Joker抜くの忘れてた。もし引いたら見えるように捨てて、新しく引いてくれ」

ほら、こんな風に。

「お前、マジでポーカー出来んのか?」

「失礼だな。たまたま忘れただけだ」

二回のディールシャッフルを終えた今、トランプの並び順は最初に戻っている。

トランプによって多少の違いはあるが、今使っているものが一般的なものだと仮定すると、下からこうなる。

スペードのA、2、3から順に続いて10、J、Q、K。そして、ハートのAからK。クラブのAからK。ダイアのAからK。四つのスート(絵柄)の上に、最後に二枚のJokerが乗っている。

つまり、今は二枚のJokerが一番上にある。

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