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8.


デッキは一つへと戻された。

そして、デッキを二つの山に分け、上にあった山を右手に、下にあった方の山を左手に持ったのが見えた。左手の山の方が少し少ない。

二つの山が互いに細かく噛み合うように、サイド側を弾いて高速で重ね合わせる。

これをリフルシャッフルと言う。

特にテーブルの上で行われる場合は、テーブルシャッフルと呼ばれることもある。

かなり華があって派手なシャッフルの方法だが、ある程度の難易度があり、またカードを傷付けやすい。だが、こいつの手付き、特にスピードや混ざり具合からして相当慣れてるだろう。

なのに、カードの分配を間違えて、右手の山がまだ残っているのに左手の山を混ぜ終えてしまって、右手の山の上にあった数枚のカードが塊となってパタッと間抜けに落ちてしまった。

「…だ、だから、練習中でな?ちゃんと出来たら綺麗に見えるんだ。うん、」

「ゆっくり練習すればいい」

恥ずかしそうな笑顔。これも嘘だろう。

だって、本当に手馴れているんだ。

リフルシャッフルの後に端だけが重なり合ったカードを手の中でドーム状に反らし、高速で流し落としてまとめる動作をブリッジと言う。

そいつのブリッジは流れるような本当に美しい動きで、ここまで熟練したシャッフルが出来る奴がカードの分配を間違えたなんてありえない。本当に惚れ惚れするような動きだったんだ。

(そもそも、デッキを二つに分けた時点で、左手の山の方が少なかったじゃねぇか)

わざと左手の山を少なくした。

…右手の山の上の数枚を混ぜたくなかった?

最後に混ぜられなかったカードの塊は、厚さからして最低でも5枚。多くて7枚あるだろう。ディールシャッフルで並び順が動いていないから、上から2枚のJoker、ダイアのKから9となる。

リフルシャッフルはもう一度繰り返されたが、やはり右手の山の上の数枚が塊で落ちた。

つまり、今のデッキは上から、Joker、Extra・Joker、ダイアのK、Q、J、10、9となり、その下からのみ並び順が乱されている。

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