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7.


清宮がまた食べる。今度も多く食べた。

どんどん距離を縮めていく綺麗な顔。清宮とは何度もキスしたことがあるのに、今更ながら距離を失うのかと思ったら、また小さくしかかじれなかった。クッ、クッ、と笑われる。

二回も大口を開けて思いっきり食べられたことにより、まだ二回なのに残りがない。

互いの吐息がかかって、香水の香りが強い。

近くから見る清宮は本当に綺麗だ。仕事でいろんな人に会って、いろんな人のデータを見てきたが、正直に言ってここまで男らしさを滲ませながら綺麗さもあって、危ない色香が魅力的な人はなかなか見たことがなかった。

白く滑らかな肌も、笑みを浮かべた薄い唇も、長い睫毛も、俺から逸らさないその目も。

…その色香に、呑まれてしまったんだ。

パク、とまた清宮が食べる。次は俺の番だ。

(やばい、動けないっ!)

見つめられて、見据えられて。

目も閉じられないまま硬直した俺を見て、清宮がまた笑う。残っているポッキーは頑張ればまだ二口くらいにはなるのに、動けない。お前の負けだ、と切れ長の目が細まっていく。

「おま、待…ん!」

パキ、とクッキーが折れる音。

後頭部に手を回されて、唇が距離をなくした。

軽い咀嚼音の後、舌が差し込まれる。まだ固まったままでいる俺は簡単に歯列を割られてしまい、侵入を許してしまった。

柔らかい接触から始まって、すぐに舌の動きが激しくなる。舌を絡めて、奥へと入ってきて、くちゅくちゅと唾液が混じりあう。角度を変えて求められる激しいものだったが、とても優しい。

清宮の方が食べたチョコは多くて、その熱い舌がひどく甘い。俺にもその甘さを分け与えるように、深く深くキスをされた。

今までで一番深く、長いキスだったと思う。

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。