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6.


これは本当にただのゲームなんだろうか。

それとも、同業者との駆け引きなんだろうか。

もしもこれが駆け引きだとしたら、なんて巧妙に自然さを装った手口なんだろう。無理のない演出、不自然さのない選択、そして、清宮にも勝つチャンスが充分にあるゲーム。インディアン・ポーカーより余程厄介で、相手がしにくい。

なら、清宮は最後の命令権が欲しいのだろう。それとなく違法行為への探りを入れられるのだから。

(がっつくか…?)

だが、近くにある顔は楽しそうに笑みを深めているだけで、食べ進めようとしない。俺もかじらなくて清宮の出方を窺い続けた。

(やりにくい!!)

考えろ、存在している可能性を。

受験者である場合、命令権が欲しい。つまり、なんとしても最後は清宮が食べる。

受験者じゃない場合、これはただのお色気ゲームだ。清宮はこんなゲームがなくてもキスしたい時には勝手に噛み付いてくるタイプだし、今まで俺からキスしたことも少ないから、俺にキスさせたい。最後は俺に食べさせるだろう。

なら、大胆に食べ進めてみるか?

(いや、突然それは不自然だろ)

考えのまとまらないまま、清宮はバクッと大きく食べてしまった。今のでかなり短くなって、軽く焦りながら小さくかじるしかできなかった。

(キスするか?それとも、キスを待つか?)

まずは俺からキスをする場合。受験者ならそれを避けようとし、受験者じゃないなら抵抗をせずに受け入れてくれるだろう。

逆に清宮からのキスを待つ場合。受験者なら普通にキスするし、受験者じゃなくても痺れを切らしてキスしてくる可能性がある。

なら、前者の方が識別はしやすい。

(俺からキスしてやるよ)

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。