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5.


「そうだ、ポッキーゲームしようぜ!」

「なんだ、そのコンビニに行こうみたいなノリ」

クスクス、と清宮が無邪気に笑う。

(んだよ、年相応じゃないか)

いくら財閥の御曹司で幼い頃から英才教育を施されていようとも、ちょっと気を抜けば遊び盛りの若さのある素の部分がちらついて見える。だが、だからこそ、一つ年下のこいつに振り回されるのがひどく気に食わなかった。

「いいだろ?ポッキーゲーム」

俺の返事も聞かずに、頼んでしまった。

「勝った方が負けた方に命令一つな」

「ったく、ガキか」

勝負事をやるのは結構だが、選んだのはまさかの運も知略も介入する余地のないポッキーゲーム。しかも、相手は金で愛を売るホストで、俺も何度も潜入任務でキスをしたことがある。

…初さの欠片もない二人で何をしているんだか。

だが、もし清宮が最後の受験者だと仮定して、さらに俺が格上の情報屋だと疑っており、他のゲームでは勝機が少ないと、万一そこまで清宮が読んでいるのならば、

(一番賢い選択かもしれないな)

そして、しつこく愛をアピールしてくる清宮にとって、一番自然な選択でもある。

「ほら、来たぞ、あーん」

「あーん!」

「…どうした、素直で気持ちわりぃ」

「うるはい。やるぞ」

「銜えたまま喋んなよ。エロい」

パク、と清宮が向こう側を銜えた。

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。