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5.


だが、それに殺傷力はない。

実用の銃として作られ、俺も過去には実際に使っていたが、モデルが古くなったから知り合いに頼んで改造してもらった。結果、嬉々としたそいつにより、トリガーを引けば真っ赤なバラが飛び出すにまで改造されてしまった。

この五丁ともトリガーを引けば、花が飛び出す仕様だ。上からたんぽぽ、百合、カーネーション、バラ、桜吹雪だ。

いつか宴会やパーティーで使いたい。

そして、二つ目。棚にあるファイル。

ワインの仕入れリストや一般客リストが並ぶ中、客のブラックリストが存在する。

ブラックリストとは通常迷惑な客や出入り禁止になった客を載せているが、そのファイルの厚さはなんと一般客リストの二倍はある。どう考えてもそんなに多いわけがない。

そこからこれはブラックリストなどではなく、人に見られたらやばい類の情報だと推測してほしい。俺も部屋にいるから中身を見れないが、そわそわと気にしてほしい。

因みに、本物のブラックリストは俺の頭の中に入っており、あそこにあるファイルの中身は昨日俺が徹夜で選んだお気に入りのAV女優とグラビアアイドル達の写真だ。ビキニ、ミニスカサンタ、女医さん、セーラー服、メイドなどなど。

「ぶふッ」

「どうなさいました?」

「…ちょっとくしゃみに失敗して、」

真面目な顔であのファイルを気にするお前が微笑ましくて耐えきれずに吹き出した、なんて言えない。絶対に言えないんだ。

開けられもしないファイルの中身を選ぶのに、ドアのセキュリティを変更したのよりも時間をかけたことは内緒だ。無駄な努力だったが、後輩が可愛いからよしとしよう。

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騙し合うこのゲームは、
本気で惚れた方が負けなのだ。